2021.11.02
生まれながらに不平等 Vol.1“無敵の慶應ボーイ”が使う、頻出ワード
裕二さんとのデートを楽しみにしていた私は、予定よりも少しだけ早く到着してしまった。仕方なく、ソワソワしながら店の前で待つ。
だがそんな私を裏切るかのように、約束の時間を少し過ぎたころ、ようやく彼からLINEが届いたのだ。
裕二:ごめん、10分くらい遅れるかも!
集合時間を過ぎてからの連絡に驚きつつも、先に入店する。スマホを見たり、手鏡でメイクをチェックしていると、ようやく裕二さんがやってきた。
「楓ちゃん久しぶりだね。ごめん、待った?」
今日は初デート。それに、こんなハイスペックな彼を逃したくない。
私は、ここで怒るのは得策ではないと考え、口角を上げるとニッコリ微笑んだ。
「いえ、全然!」
「そっか。先に飲んでてくれて良かったのに。何にする?」
そんな私のモヤモヤを微塵も感じとることなく、裕二さんは無邪気にメニューを見始めた。
「とりあえずビールでいい?」
「あ…。はい!」
こうして『カラペティ・バトゥバ』でのデートが始まった。
「普段はどんなお店に行かれるんですか?」
「うーん。知り合いの店が多いかな。家族では『中國飯店 六本木店』とか『キャンティ 飯倉片町本店』には、昔からよく行ってたけど…」
決して、恵まれた家庭環境を自慢しているわけではないのだろう。幼少期から、それがごく普通のことだったと思わせる、裕二さんの淡々とした口ぶり。
そんな彼の話を聞きながら、埼玉で暮らす親の顔がふと浮かぶ。
きっと私の両親は、東京の素敵なお店なんて知らないだろう。一生縁のない世界かもしれない。
そう思うと、急に胸がチクリと痛んだ。
幼少期から六本木の高級イタリアンにも通う慶應ボーイと、平凡な私。すでに圧倒的な差を見せつけられた気がして、悲しくなってきてしまう。
「楓ちゃんって、ミス系?」
「えっ。ミス、ですか?」
「そうそう。学生時代、そういうの出なかったの?」
― あぁ。ミスコンのことか。
「いや、私はそんな…」
「なんで?もったいない!こんな可愛いのに」
可愛い子=ミスコン出身。その法則が、彼の中にあるのだろうか。
下から慶應の、華やかな裕二さん。学生時代から、周囲にはキラキラと輝く女子が多かったのかもしれない。
「裕二さんって、普段はどういう方と遊んでいるんですか?」
「僕?そうだなぁ。男はほとんど幼稚舎から一緒のヤツで。女の子はアナウンサーとかモデルとかが多いかも。でも、普通の子ももちろんいるよ!」
― その“普通の子”の中に括られるのが私だよ…。正直、女子アナやモデルと同じ土俵に立てる気がしないなあ。
「慶應時代のメンバーと、ずっと一緒にいるんだよね。仲間内で結婚したり、付き合っている人も多いし」
「それは楽しそうですね…」
「そういうのが一番落ち着くんだ。忖度もないし、似たような価値観を持ってるし」
結局人は同じような幼少期を過ごし、同じような環境で育ってきた人と結婚するのだ。そんな彼らの結婚相手として、外部の人間が入り込む隙はないような気がする。
こうして戦意を喪失しかけていた私は、あることに気がついた。
裕二さんの会話に「幼稚舎」もしくは「慶應」というワードが、頻繁に出てきたことに。
デートをしていくなかで出身地や大学の話になることはあるが、そもそも小学校の話になんてならないし、小学校の名前を聞くことも少ない。
だが必ずどこかに、それらのワードを入れてくるのは、彼らの特徴なのかもしれない…。
この記事で紹介したお店
カラペティ・バトゥバ
中国飯店 六本木店
キャンティ 飯倉片町本店
楓は、ちゃんと大学も出ているしきちんと仕事も持っている。埼玉出身だからダメとか言う親も今時いないと思う。お父様も銀行員なら家柄が悪いまでは言われなそう。
高望みしなければきっと大丈夫だと思う。
まだ若いからいろんな人を見て、勉強するのは悪いことじゃない。
損保のエリアだって、むしろ世間からみたら良い年収です。
あなたに相応しい人が絶対見つかるよ!
(元損保OLのおばちゃんより)
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