キャリアが欲しい。名声を得たい。今よりもっとレベルアップしたい。
尽きることのない欲望は、競争の激しい外資系企業では必要不可欠なもの。
しかし、ひとつ扱いを間違えると身を滅ぼしかねないのも、また欲望の持つ一面なのだ。
貪欲に高みを目指す、ハイスペックな外資系オンナたち。
その強さと身を灼くほどの上昇志向を、あなたは今日、目撃する──
「アイ・ニード・モア〜外資系オンナの欲望〜」一挙に全話おさらい!
第1話:「年収900万なら離婚」自分より低収入の夫をクビにした妻
謙遜するのが嫌味なほどに、女性が望むすべてのものを手にしていている完璧な女。それが、佳奈子だった。
しかしそんな佳奈子にも、たったひとつだけ我慢のならないことがあった。
後部座席で一息ついた佳奈子は、おもむろにバリーのハンドバッグの中からスマホを取り出し、LINEを見るなり小さく舌打ちをする。
― 全く…。ほんとに使えない男。
佳奈子をいらつかせる存在。それは…他でもない夫・雄介だった。
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第2話:「私って、お荷物…?」二流大学を出たのに、外資系IT企業の役員になれた女。その悲惨すぎる待遇とは
今の自分は、「外資系企業で活躍するような女性」にはほど遠い。そんなことは、誰よりも真理子自身が一番わかっていた。
― でも、そんな私とも今日でお別れ。私、絶対にキャリアを一発逆転してみせる。…ここで、MBAを取って!
そう思いながら真理子は、入学書類を強く胸に抱きしめる。
通い始めるのは、終業後に通う夜間コースだ。ハードな毎日になることは予想できたが、外資系への憧れを捨てきれなかった真理子にとって、MBAの取得は人生を変えるための最終手段だった。
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第3話:「男の人と付き合うと、いつも…」才色兼備なハイスペ女子が、絶対に半年以内で別れてしまう理由とは
努力家で負けず嫌いなのが災いし、すぐに男性と張り合ってしまう。就職してキャリアを順調に形成してきてからは、その悪いクセはどんどん悪化していた。
― だって、仕方ないじゃない。自分以上に有能な、尊敬できる人でないと付き合えないもの。
そう割り切ってはきたものの、だからといって独身を貫く覚悟ができているわけではない。
― キャリアも年収も同年代の誰よりも負けていない。外見だってかなりいいほうなのに。尊敬できる有能な彼氏さえできれば、私は完璧なのに…。
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第4話:4度の転職でキャリアが台無しに…。有能なバリキャリ帰国子女が知らずのうちにハメられた罠
― 年収も社会的地位も誰よりも高みに行くためには、下手に我慢する時間はないわ。私に相応しい条件とポジションを与えてくれる環境を選ぶのが近道よ。
思春期を海外の恵まれた環境で過ごし、「我慢は美徳」とする日本人の価値観とは無縁で育った梨乃は、何か我慢できない要素が出てくるとすぐに新しい環境に移るようになっていた。
ITベンダーの後は、証券、メーカー、金融…。外資系という点を除いては業界も職種もバラバラだったが、得意の英語力とコミュニケーション能力で、梨乃は外資の条件のよいポジションを勝ち得ていく。
そんな梨乃が頼りにしているのは、ある転職エージェントの瀬高だった。
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第5話:同期のエースに口説かれて、調子に乗っていたら…。外資系美人秘書が転落したショックすぎる理由
頭脳明晰、優秀。そのうえ、180cmを超える身長と端正な顔立ちを持ち合わせており、女性社員の人気も高い。
そんな祐樹からの熱心なアプローチで、彩子は祐樹と付き合うことになった。
「華やかな環境と、出世頭の彼氏、それに見合う私。やっぱり、私は特別なのね」
何もかもが順風満帆な彩子は、そう信じて疑わなかった。
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第6話:「うわ、ダサい格好」なんて見下していた女友達に…。週末のランチで味わった敗北感
同期の美人な女性社員たちは、食事会相手の大手商社や広告代理店、または社内の男性社員と、着実に結婚していく。そして次々に、「セレブ妻」という次の「羨ましがられる存在」のステージに立つようになっていくのに対し、理子だけがなぜか上手くいかないでいた。
気がつけば、すでに27歳。予定ではとっくにセレブ妻の仲間入りをしているはずなのに、今の理子には彼氏のひとりすらいなかった。
― 職業のウケはバッチリ。外見だって気を抜いてない。十分な条件のはずなのに、なんで私には彼氏ができないんだろう…。
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第7話:「時短で楽してるくせに」ワーママを目の敵にするキャリア重視の女が、不本意な業務を割り振られ…
「何で私がこんなのにアサインされなきゃいけないのよ!」
外資系コンサルティング会社でマネージャーとして勤務する千夏は、上司のパートナーからのある打診に、鬱屈とした気持ちを抱えていた。
「こんなの」とは、社内で推進している「女性活躍推進プロジェクト」だ。
千夏に、女性が働きやすい制度や施策を検討し、環境整備を推進するメンバーになってほしいのだという。
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第8話:「今夜は夫を無視しよう」結婚生活の理想と現実。イライラする妻に対して、温和な夫は…
仕事のトラブル、お迎えを康介に任せた後ろめたさ、家事のリカバリーなどで、昨日の綾乃はすっかりキャパオーバー状態。そして今朝。
「真奈の保育園に持っていく着替えの服が見つからない」という、他人から見たら非常に些細な出来事をきっかけに、ヒステリー気味に康介に当たってしまったのだ。
いつも温厚な康介のことだ。少しくらい八つ当たりしてもさらっと流してもらえると、心のどこかで思っていたのかもしれない。しかし、今朝の康介は黙ったままではいなかった。
「そんなことくらい、俺に任せればいいだろう?綾乃は一体何に向かってそんなに頑張っているの」
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第9話:「なんでできないの!」会議室に響くヒステリックな声。”使えない部下”ばかりを持った女の誤算とは
「正式提案用の資料もできたし、あとは決裁権限を持つ本部長との個別に話せば9月末には案件クローズできるわ。多少値引きはあっても1億は固いわね。
それにしてもまったく使えない部下ばかり…。こんな案件、いざとなれば私1人でさっさとクローズできるのに」
港区に日本支社がある外資系メディア企業のオフィス。
セールスエグゼクティブの管理職である千尋は、デスクでPCを前にこう呟いては、思うように動かない部下への苛立ちを募らせていた。
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第10話:「奨学金借りてたなんて、かわいそう」元苦学生の同期をバカにしていたら、上司に呼び出され…
玲奈は昔から、この真実子のことが苦手だった。
関東圏の県立トップ女子高から、早稲田大学政治経済学部。新卒研修の自己紹介では、「学費は奨学金。学生時代は足りない仕送りを補うために、塾講師のアルバイトを複数掛け持ちしていた」なんて話をしていた。
― 今時、昔の小説に出てくるようなそんな苦学生っているのね…
自己紹介を聞いた時、何不自由なく育った玲奈が抱いた感情は、純粋な驚きだった。自分とは、生きている世界も人種も違う人。それこそが、玲奈の真実子に対する第一印象だったのだ。
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