絶食系女子 Vol.1

絶食系女子:恋愛経験ゼロの女を、3回目のデートで家に誘ったら…。男が衝撃を受けたあるコト

彼氏やパートナーがいる人が幸せって、誰が決めたの?

出会いの機会が激減したと嘆く人たちが多い2021年の東京。

ひそかにこの状況に安堵している、恋愛に興味がない『絶食系女子』たちがいる。

この連載では、今の東京を生きる彼女たちの実態に迫る。


女子校出身のオンナ・朝倉スミレ(26)


「俺、朝倉さんのことが好きなんだ」

コース料理の最後に運ばれてきたティラミスを二口ほど食べた後のこと。

よかったら付き合ってほしい、と彼が頭を下げてきた。

目の前の男性は、佐伯良平。29歳の彼は、私と同じ大手食品メーカーに勤めている先輩だ。別部署だが、いつも親身に相談に乗ってくれる。

営業成績は常にトップで、社内での人望も厚い。

さらに、いま流行りの塩顔イケメンで長身とくれば、もちろんモテないはずはなく、社内で彼を狙っている女性は多いと聞く。

― まさか。佐伯さんが私を……?

考えてみれば、今日はいつもと少し様子が違っていた。

普段は、行き当たりばったりで店を決めていたのに、今回は3日ほど前からお店を予約してくれていた。しかも西麻布の高級イタリアン。

服装も、Tシャツにジーンズというラフなものが多い彼だが、今日はビシッとしたジャケットを着ている。

「あ、返事はいつでもいいからね」

彼は食後のコーヒーを一口飲み、微笑みながら言った。

その優しい笑顔に、胸が痛む。

今日、私に告白をするために、彼は色々な準備をしてくれていたのだ。そんな彼の気持ちを無下にはしたくない。

でも……。

「少しだけ、考えてもいいですか?」

テーブルの下で、スカートの裾をぎゅっと握りしめる。申し訳なさと気まずさで、額には冷や汗がにじんでいた。

佐伯さんは素敵な人だけれど、付き合うとなるとためらってしまう。

そう。私は、男性と恋愛関係になることができない。

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