2013.05.21
やっぱりフレンチが好き! Vol.3サンジャンピエドポー
Saint-Jean-Pied-de-Port
フランスとスペインの国境に位置するバスク。ピレネー山脈を有し、大西洋に面するバスクには、独自の文化や言語が根づいており、食材の宝庫であることでも知られている。
渋谷の『アバスク』の立ち上げから料理長を務め、今年の2月に自身の店『サンジャン・ピエドポー』をオープンさせた和田直己シェフも、そんなバスクの地方性に魅了されたひとりだ。フランスでの修業経験は4年だが、その半分以上はバスク近郊の街で過ごしたという。
「料理も含めて独特の文化があって、気候も日本とほぼ同じなので過ごしやすかった。街の温かい雰囲気も好きだったし、性に合っていたんだと思う」と和田シェフ。現地では、ガストロノミーも体験したが、自分でやるなら休日に通っていたような、日常にとけこむレストランを、と思っていた。
「バスクの文化を伝えたい」の言葉通り、グランドメニューにはピルピルやキントア豚のグリエ、トロというスープなど、伝統的なバスク料理が並ぶ。シェフの実家が営む精肉店の肉を使ったメニューからデザートまで味わうなら、お腹をうんと空かせて訪れたい。
シャルキュ
CHARCUT
シャルキュトリ=(主に)豚肉加工品に力を入れているから『シャルキュ』。なんとも明快なネーミングではないか。
オーナーシェフの町筋健彦氏は、シャルキュトリの盛んなフランス・リヨンの専門店で修業を積んだ後、帰国。今年1月にこの店のオープンにこぎつけた。
自身が初めて構える城の場所に選んだのは、今年の初めに銀座へ移転した『サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカ』のあったところ。町筋シェフは、同店のオープンから勤務していた縁で、ここに入ることに決めたのだという。
なぜシャルキュトリをメインに据えたのですか?と尋ねると「細かい作業を黙々とやるのが結構好きなんです」とシェフ。なるほど、パテをコンソメのジュレとパイ生地で包むという大変な手間のかかる「パテ・アンクルート」を作ることも厭わず「“シャルキュトリ”を名乗るならこれは出さなくては!」と言い切るだけのことはある。
そうして生まれる味は、どれもどっしりと温かい。が、奥様が手がけるデザートを味わう余裕もぜひ残しておいてもらいたい。
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