柳 忠之のこの12本におまかせ Vol.7

おうちBBQを格上げする、究極にエレガントなワインとは?大人の贅沢にぴったりな1本!

美味しさが、心にまで沁みる究極のワイン…。

そんなスペシャルな1本があれば、おうち時間がパッと華やかになる。

今回、お肉との相性がこの上なく最高のワインを厳選。

ちょっと贅沢におうちBBQ、なんて日にぴったりだ!

BBQにぴったりな、アルゼンチンワイン


――(雲ひとつない青空を仰ぎ見ながら)いいお天気ですね〜。

柳「クラリン(編集担当の嵩倉)、いい天気だね〜。」

――こんな陽気だと、屋外でBBQしたくなりますね〜。

柳「アサード、したくなるね〜。」

――アサード?

柳「アルゼンチンをはじめ、南米諸国で楽しまれるBBQのことさ。南米版カウボーイといわれるガウチョの食文化から派生したらしい。」

――あのゆったりシルエットなガウチョパンツのガウチョですか?

柳「そうそう。うちの奥さんも履いてるよ。

2018年にアルゼンチン産牛肉の輸入が解禁されたけど、これがジューシーな赤身肉で、健康的かつおいしい。」

――すると、BBQにはアルゼンチンワインがばっちり合うと?

柳「まさに今月のお題目は「アルゼンチンのマルベック」だ。」

本国ではマイナーな存在。異国でスターのマルベック

アルゼンチンの人々はアサード=BBQが大好き。そんな国のワインがBBQに向かないわけがない。ジューシーな肉と、旨みの濃いワインとの相性は最高


――まるで図ったようなイントロですが、それはともかく、マルベックってブドウの名前ですよね?

柳「そのとおり。もともとはフランス南西部原産で、カオールというワイン産地の主要品種。ボルドーでも栽培されているけど、ほんの数パーセント、スパイスのようにブレンドされる脇役のブドウだね。」

――カオールという産地も初めて知りました。

柳「つまり、フランスではマイナーな存在のマルベックだが、大西洋を渡り、赤道を越えて辿り着いたアルゼンチンで一躍スターになった。

チリ国境に近いアンデス山脈の麓のメンドーサは、標高が500〜2,000メートル。この高地がもたらす特種な気候が、マルベックにぴったり合ったんだろうね。

色は濃く、肉付きよく、骨格もしっかり。そして、スパイシーな余韻をもつ赤ワインになる。」

――まさにBBQ向き!

柳「だけど……。」

――だけど?

柳「新興ワイン産地にありがちな傾向で、世界にアピールしたいがあまりインパクトの強いワインが多い。

キャンプ場や河川敷でわいわいやるようなBBQには絶好のワインだけど、今はそういうわけにもいかないから、せいぜいおうちでベランダBBQ。となれば、もう少し洗練さが欲しいよね。」

――なるほど。

究極にエレガントな味わいで、アルゼンチンワインの常識を覆した!
「TIANO & NARENO(ティアノ イ ナレノ)」

初ヴィンテージは2010年。マッチョなワインが多いアルゼンチンのマルベックだが、しなやかでビロードのような喉越し。44,000円/ラック・コーポレーション TEL:03-3586-7501


柳「それで、僕のおすすめはこれ。「ティアノ&ナレノ」。

当主は、免疫学の権威のアリエル・サビナという医師だ。彼は幻のシャンパーニュ「サロン」のディディエ・ドゥポン社長と旧知の仲。

ひとりの愛好家が生み出したワインであること、究極のエレガンスを追求していること、それに真価を発揮するのに時間を要することから、ドゥポン社長は「100年後、このワインは今日のサロンと同じ存在になるだろう」と断言している。」

――ひぃ~、すごい。お値段もとてつもないですが……。

柳「ドレスアップのうえ、最高級肉を用意したBBQで開けるべし。」

あの希少シャンパーニュ「サロン」の社長も認める!


当主のDr.アリエル・サビナは、幻のシャンパーニュ「サロン」のディディエ・ドゥポン社長の友人。

ともにワイン造りに情熱をかけるが、ドゥポン社長もこのワインには惚れ込んでいるという。

編集部員・嵩倉が飲んでみた!


正直、高級なワインって、ちゃんと良さを理解できないものも多いのですが、こちらの飲みやすさには仰天!

JALのファーストクラスでも出されたことがあるというから、日本人の口に合うのかも……?

教えてくれたのは
ワインジャーナリスト 柳 忠之氏


世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、親身になって答えるワインの達人。

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この記事へのコメント

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No Name
飲みたい〜でもワインに44,000円は躊躇してしまう。
2021/05/23 14:413

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