23区のオンナたち Vol.6

40歳で離婚、子持ちのシングル女に。代官山で家賃30万を支払う重圧に耐えかねて、結局…。

住んでいる街によって、人生は変わり、また人も変わる。

2020年、東京の街は大きく変貌した。

店は閉まり、代わりにフードデリバリーの自転車を頻繁に見かけるようになった。また時差通勤やテレワークが導入され、ラッシュ時の人は減った。

では、東京に住む女の人生は、どう変わったのだろうか? エリア別に、その実態に迫る。

今回は代官山から引っ越した・京子(40)の話。

▶前回:同棲中の彼氏が、1週間家に帰ってこない…。1LDK・家賃24万の部屋で女が感じた限界とは


プライドを捨てて代官山から引っ越した女・京子(40)


「ママ、ママ」

台所に立ちながら、娘の楓に足を突かれ、ハッと我にかえった。

「あぁ、ごめん。楓、どうしたの?」
「ママあのね…」

4歳になる楓は、最近おしゃべりが上手になった。

子どもはとても可愛いし、この地球上で最も愛すべき存在だ。目に入れても痛くないほど大切にしているし、最高の宝物だと思う。

…でも、忙しいときに、なにを言っているのか分からない話をされると、最近つい口調がきつくなってしまう。

「ごめん。ママ今ご飯の用意をしているから、向こうでYouTube見ていられる?すぐに行くから」
「ヤダ」
「ヤダじゃなくて…」

今日は仕事が忙しかった。ほかにもやるべきことが、まだたくさん残っている。

洗濯機から洗濯物を取り出し、畳まなければならない。机の上には郵便物も溜まっている。掃除機もかけないといけないし、保育園の書類も書かないといけない。

愕然とする。1人で片付けなければいけないことが、多すぎる。それなのにさっきから、手がまったく動かないのだ。

「もうダメだ…限界…」

台所で、膝から崩れ落ちた。

そしてこんな時に思い出すのは、3ヶ月前にようやく離婚が成立した夫・圭のことだった。

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