2021.03.16
柳 忠之のこの12本におまかせ Vol.4ワインの産地や品種はさまざま。だからこそ、ワイン選びに悩んでしまうことも多い。
そんな時は、ワインのプロが厳選した1本を選べば間違いない!
今回は、「KIR-YIANNI RAMNISTA(キリ・ヤーニ ラミニスタ)」をピックアップ。
意外にもまだ広く知られていない、ギリシャ産の赤ワインの魅力とは?
コロナ禍が終息したら、行きたいワイン産地は?
柳「あちゃ〜。」
――柳さん、どうしたんですか?頭抱えちゃって。
柳「クラリン(担当編集の嵩倉)、ほら。1月末、ヨーロッパが日本からの渡航をふたたび禁止に。
毎年、平均7回は海外取材に出かけていたのに、去年はコロナ禍が世界中に広がる直前の2月に一度、パリに行ったきり。今年もしばらく海外は厳しそうだ。」
――私は柳さんが日本にいるおかげで、原稿の心配をせずに済みます。
柳「く〜っ。」
――それはさておき、いろいろな国を巡られてる柳さんですが、コロナ禍が終息したらまた行きたい国といったら、何をおいてもフランスですか?
柳「う〜ん、それよりも消化不良な南アフリカ、ポルトガル、それにギリシャかな。ここ2、3年の間に取材した国々だけど、ほんの一部の産地しか訪ねられなかった。」
――ギリシャのワインは以前ご紹介いただきましたね。エーゲ海に浮かぶサントリーニ島のワインで、ブドウ品種の名前がアタシチコ?
柳「アシルティコね(笑)。ミネラリーでキリッとした白ワイン。実は、ギリシャには赤ワインもすごいのがある。それが3年前には行けなかったナウサだ。」
――えっ、サウナですか?
柳「蒸し風呂入ってどうする!ナ・ウ・サ。ギリシャ北部マケドニア地方のワイン産地で、最初に原産地認証を取ったのがこのナウサ。
クシノマヴロという品種から、長期熟成のポテンシャルがめっぽう高いワインを造っているよ。」
――これまた覚えられそうにない品種名ですね。
柳「クシノが「酸っぱい」、マヴロが「黒」。たしかに酸味の強い黒ブドウ品種だね。イタリアのネッビオーロに似てるけどDNA的な繋がりはなく、この土地固有のブドウらしい。」
――マケドニアといえば、世界史の教科書にも登場するアレキサンダー大王生誕の地。ギリシャからメソポタミア、エジプト、ペルシア、そしてインドまで征服し、一大帝国を築いた人物ですよね。その彼が生きた土地のワインだと思うと、なんだかロマンを感じます!
ギリシャ版焼き鳥と一緒に楽しみたい
柳「30年近く前にナウサを訪ねた時は、まだ近代化の途中で、ワインはやたら野暮ったかった。でも、今は魅力的なワインが増えてるね。
とりわけこの地ナンバーワンのワイナリー、キリ・ヤーニの「ラミニスタ」は樽使いが上品で、品種の個性を生かしつつ、適度にモダンな風味に仕上げている。」
――このワインと一緒に何を食べたらよろしいでしょう?
柳「ギリシャの肉料理に、串刺しの肉をローストしたスヴラキがある。現地ではたいてい羊肉だけど、日本でいうところの焼き鳥みたいな屋台フード。むしろ、ハツとかレバー、砂肝と合わせてみても、美味しいと思うよ。」
――えっと、品種名はクシロのマグロでしたっけ?
柳「怒るよ。」
意外にも知られていない、“ギリシャの赤”が魅力的だった!
「KIR-YIANNI RAMNISTA(キリ・ヤーニ ラミニスタ)」
90年代末のギリシャワイン・ルネッサンスを象徴するワイナリーが、キリ・ヤーニ。このラミニスタは酸味と渋味が上手く相まって、美味。
3,150円/モトックス TEL:0120-344-101
編集部員・嵩倉が飲んでみた!
飲んだ感想を素直に言うと「ギリシャの赤って感じ!」。程良い酸味が爽やかで、カラッとした太陽の下でごくごく飲みたい味わいです。(結局、厳寒の東京でも1本空いたのでした)
◆
教えてくれたのは
ワインジャーナリスト 柳 忠之氏
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、親身になって答えるワインの達人。
⇒アプリでのご利用はこちらから
※最新版のアプリをダウンロードしてください。
⇒紙版をお求めの方はこちらから
※東京カレンダーは毎月21日頃の発売です。今号は2/20(土)から。
【柳 忠之のこの12本におまかせ】の記事一覧
2023.01.19
Vol.26
赤身肉に合せたいフランスワイン!心地よい渋味で、大人のおうち焼肉にピッタリ
2022.12.13
Vol.25
クリスマスディナーに、香り高きスペインの赤を!5,000円で楽しめるリッチなワイン
2022.11.16
Vol.24
3,000円で大満足な、上質チリワイン。ホームパーティーで大活躍間違いなし!
2022.10.19
Vol.23
今年のボージョレはヌーヴォーではない逸品を!秋におすすめのエレガントなワイン
2022.09.19
Vol.22
鮨と相性抜群のオレンジワイン!食欲をそそるほろ苦さと独特の香りがクセになる
2022.08.17
Vol.21
コスパ良しのカリフォルニアワインは、今が狙い目!名門ワイナリーが造る上質な赤とは
2022.07.20
Vol.20
ドイツワインが“辛口”にイメチェン!?シンプルかつモダンな味わいに驚愕!
2022.06.15
Vol.19
おうち時間を格上げする、大人のワイン。優雅な“食後のおやつタイム”を過ごそう!
2022.05.18
Vol.18
おうち女子会を華やかにしてくれる、“ワイン界の貴公子”といえる一本!
2022.04.19
Vol.17
お家デートで華やかなワインを楽しむならこの一本。豪快な肉料理と好相性!
おすすめ記事
2021.02.17
柳 忠之のこの12本におまかせ Vol.3
YOSHIKIもハマった!カリフォルニアワインが、世界中のセレブを魅了する理由
- PR
2025.04.14
「次の乾杯、何を選ぶ?」一流レストランが認める新たなシャンパーニュの魅力をモデル・松島花が語る
2023.07.07
“レアとんかつ”など大人を満足させるメニューがずらり!四谷三丁目の人気ランチ6選
2020.03.05
「代々木上原でちょっと飲まない?」いま友達と集まるのにちょうどいい街の酒場5選
- PR
2025.03.21
外食続きで疲れ気味…?グルメな東カレ編集者が絶賛する“美味しいエネルギーチャージ法”
2021.01.09
「気になる子とは、昼間に来たい」いま最もモテると言われる4人の男が絶賛した、銀座のホテルとは
2023.09.15
女性たちを虜にしている、美しきデザート。麻布十番に広がる“魅惑の甘い世界”とは?
2015.11.07
ラッキーにも出張で京都に行ったら絶対お薦めの店はココだ!
2018.08.16
究極にシンプルな美味しさ!チーズと胡椒だけの絶品パスタ「カチョ・エ・ペペ」4選
2022.12.21
いま、ここが恵比寿ランチのトレンドだ!ひとりでも立ち寄りやすい注目の新店4選
東京カレンダーショッピング
ロングヒット記事
2025.04.09
運命なんて、今さら
34歳で彼女と初めての海外旅行。男が旅行中ずっとソワソワしていたワケ
2025.04.07
1LDKの彼方
結婚前の同棲ってやっぱりNG?1年後、結局別れて住むことになったワケ
2025.04.12
男と女の答えあわせ【Q】
結婚願望のない33歳男が、突然プロポーズを決意。2泊5日の海外旅行で気持ちが変化したワケ
2025.04.10
TOUGH COOKIES
「オレたちの関係に名前をつけると…」曖昧な関係の彼に本音を言われた女がショックを受けたワケ
2025.04.13
男と女の答えあわせ【A】
「結婚願望はない」そう言っていた男に結婚を決意させた、旅行中の30歳女の言動とは
この記事へのコメント