見た目も仕事も隙がなく、完璧な女。
周囲からは“憧れの的”としてもてはやされるが、そんな人物にこそ、裏の顔がある。…完璧でいるためには、ストレスのはけ口が必要だからだ。
PR会社で多忙を極める28歳の綿谷あんなは、求愛してくるいろんな男のもとを毎晩泊まり歩き、決して自宅に帰らない。
母親の“呪い”に、乱れた生活。そして歪んだ自尊心…。
これは、そんな女が立ち直っていくストーリーだ。
◆これまでのあらすじ
容姿端麗な28歳、綿谷あんな。多忙なPR会社で働くが、常に余裕のある振る舞いで社内では憧れの的だ。しかしその裏では、毎晩男の家やホテルを泊まり歩き鬱憤を晴らしていた。
毒親の母からの依存、見栄っ張りな性格…もがき苦しむあんなが家に帰らない大きな理由。―それは、散らかった自宅が嫌いだからだった。あんなは掃除をはじめ、家事が全くできなかった。
▶前回:ヤドカリ女子:仕事も男も手玉に取る28歳女。彼女が決して自宅に帰らない理由とは
「おはようございます!時刻は午前4時50分…」
眩しすぎるライトの向こうで、早朝の情報番組を担当する女子アナが微笑んでいる。その様子をスタジオで眺めながら、あんなはマスクの下であくびをかみ殺した。
―クライアントの商品が紹介されることになったのはありがたいけど、朝4時にテ......
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この記事へのコメント
一旦、業者に頼んで家をキレイにして、眠れる環境を確保した方がいいように思う。
あんなに全く共感出来ず.....