
ちゃんとあなたの、そばにいるから。「振り返れば、そこにいる」全話総集編
彼のことが、好きで好きでたまらない。…だから私は、どこまでも追いかけるの。
好きすぎるせいで、何度も連絡してしまう。愛しいから、絶対に別れたくない。彼を離したくない。
こんな愛し方は異常だろうか…?だけど恋する女なら、誰だってそうなる可能性がある。
「私の方を振り向いて。ちゃんとあなたの、そばにいるから」
これは、愛しすぎたゆえに一歩を踏み間違えた女の物語。
「振り返れば、そこにいる」一挙に全話おさらい!
第1話:「私のことアリじゃなかったの?」オトせたと思っていた男の態度が、翌朝になって急変したワケ
彼が研修をするようになってからというもの、“面倒くさい”としか思えなかった時間が楽しみになった。
むしろ仁美たちの前に立つ佐伯を見つめ、口元が緩むのを必死に我慢しているぐらいだ。研修中に目が合うたび、胸の高鳴りは加速していくばかりである。
しかし仁美のひとめぼれで始まったこの恋。佐伯とは、なかなか研修以外で接点を持つことはできなかった。
そんなとき仁美の身に、ある“ラッキーな出来事”が起きたのだ。
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第2話:片思い中の男の後を、こっそり追ってみたら…?女が見てしまったショックな光景
―1回だけでいいから、もう一度佐伯さんと…。
そんな思いでいっぱいになる。すると、モヤモヤを抱えていた仁美のもとに、ようやく佐伯からの返信が届いたのだ。
やっと来た佐伯からのメールをすがるような気持ちで開封するが、そこには『研修お疲れさまでした』というあっさりとした内容しか書かれていない。仁美は悲しみのあまり、呆然としてしまった。
―あっ…!
しかし佐伯のメールを最後まで読んだ仁美は、スマホを握りしめながら、パッと明るい表情になったのだ。
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第3話:惚れた男が隠していた衝撃の事実。混乱した女は、非常識すぎる行動に出てしまい…?
仁美が連絡を取ったのは、同期入社で現在は東京本社に勤務している柳井ゆかり。もしかしたら、佐伯のことを何か知っているかもしれないと思ったのだ。
佐伯に関することなら、どんな些細なことでも知っておきたい。だからゆかりに「佐伯春樹さんって知ってる?」と連絡をしてみたのである。
もう夜も遅い。返事は明日もらえればいいかと思い、仁美はベッドに入って目を閉じる。それなのに、ゆかりからはすぐに返信がきた。
ゆかり:佐伯さん知ってるよ~!イケメンだよね。急にどうしたの?
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第4話:「奥様との結婚記念日は、これが最後でしょう?」既婚男に惚れた女が取った、怖すぎる行動
彼の自宅は、大通りから1本入ったところにある低層マンションだった。
―私もいつか、佐伯さんとゆあちゃんと3人でこんな家に住めたらいいのになあ。
毎朝、仕事へ向かう佐伯のことを玄関でお見送りする。そしてこの家で彼が帰ってくるのを待ちながら、専業主婦として悠々自適な暮らしを送るのだ。
そんなことを想像すると、嬉しくて頬が緩むのを抑えられない。そして今後の参考のために、彼の自宅の外観写真も何枚かおさめていた時。仁美はとあることを思いついたのだ。
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第5話:「起業したての元カレと、また…」“あわよくば”と心躍らせていた女を襲った悲劇
柳井ゆかりが、職場のラウンジで同僚と休憩していた時のこと。隣のテーブルに腰掛け、落ち込んだ様子で電話をしている佐伯の姿を見つけた。
「…俺が撒いた種なんだけどさ。引っ越ししないとダメだな、これ」
明らかに怯えたような表情で、佐伯がボソボソと話しているのが聞こえてくる。
―最近の佐伯さん、なんかヘンだよね。
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第6話:彼女がいても口説いてくる元カレ。最低な男を前に、女が取ってしまった行動
ゆかりは代官山のカフェで、およそ8年振りに元カレの秀と会っていた。
2人とも最初はなんだか気まずくて会話もぎこちなかったが、近況報告をし合っているうちにだんだんと打ち解けてくる。
カフェラテが入ったカップを握りしめたゆかりは、チラリと秀の顔をのぞき見た。彼は起業して会社を経営しているにもかかわらず、そんなそぶりは一切見せてこない。謙虚な雰囲気で、それがまた好印象だった。
―秀さん、学生時代よりもかなり素敵になってる。…でも彼女がいるんだもんなあ。
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第7話:スマホの画面に映し出されていた、動かぬ証拠。男の浮気が即バレた理由
「ねえ、秀。これどういうことなの?」
秀がベッドの上でゴロゴロしていたそのとき、急に寝室の扉が開いた。
「え、亜美来てたの?」
彼女の亜美が、いきなり自宅へやって来たのだ。そして部屋に入って来るなり、自分に向かってスマホの画面を突き出してくる。それをのぞき込んだ瞬間、秀は驚きで息が止まった。
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第8話:「絶対に許さないから…!」浮気サレた女たちの、緻密に計算され尽くした復讐方法
当時は彼女の話題を口にする秀を見ているのが嫌で、なんとなく聞き流していた。だから今のいままですっかり忘れていたけれど、彼が確かにそう言っていたことを覚えている。
「もしかして、秀さんの彼女って…」
しばらくぼんやりと考え込んでいたが、考えれば考えるほど予想が確信に変わっていく。ゆかりはグラスにワインを注ぐと、ゆったりとソファーに腰かける。
そして、それをゆっくり口に含むとニヤリと笑った。
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第9話:元カレと音信不通になって9か月。ようやく居場所を突き止めた女が取った、恐ろしすぎる行動
自宅のソファーに腰掛けた詩乃は、亮からもらった指輪を“左手の薬指”にそっとはめた。
久しぶりに指輪をつけられたのが嬉しくて、顔の前で左手を動かしてみる。角度によってキラキラ光るのを楽しんでいると、嬉しさのあまり涙が溢れてきた。
「亮…。また会えたね」
9か月ほど前、突然彼氏に振られ、連絡が取れなくなった。最初のうちは家に行ってみたり、職場に行ったりと、あの手この手を使ってヨリを戻そうとしていたのに…。
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第10話:震える手でポストを開けたら、中には…?最低な方法で元カノを振った男に、起きた悲劇
亮は自分自身に言い聞かせるようにして、ブンブンと頭を振る。次々と湧いてくる最悪のシナリオを追い出し、運転に集中しようとした。
そうしてなんとか自宅に着いたが、なぜだか悪寒がする。…急激に寒くなったせいなのか、それとも何かの気配を感じるからだろうか。
重たい足取りでエントランスのドアををくぐり、オートロックを解除する。自宅へ戻るついでに郵便ポストを確認しようとした亮は、思わず小さな叫び声をあげた。
…そこには、宛先も差出人も書かれていない封筒が入っていたからだ。
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