いくら時間と金をかけても、モノにならない。
平気で人を振り回し、嫉妬させ、挙句の果てに裏切る―。
東京には、嵌ったら抜け出せない、まるで底知れぬ沼のような女がいるという。
なぜ男たちは、そんな悪い女にハマってしまうのだろうか…?
【今週の悪い女】
名前:唯
年齢:26歳
職業:IT企業勤務
学歴:東大院卒
外見:黒髪の清楚系
俺のことを誰より分かってくれている、と思わせる女
『あと10分もしないで着くと思う』
待ち合わせ場所に向かう途中の、西麻布交差点。
正輝は“彼女”にLINEを入れた。
送ったLINEはすぐに既読になったが、当たり前のように返事はない。
1度も約束を反故にされたことはないのに、彼女は来てくれるのだろうか、と毎回正輝はソワソワしてしまう。
「お待たせ」
はやる気持ちを抑え、約束の時間ちょうどに着くと、彼女はスターバックスのカップを2つ差し出してきた。
「はい。ダブルエスプレッソのラテか、ブラック」
人前では余裕のある男のように振舞っているが、実は細かなこだわりが無数にあり、気分屋。そんな自分を、彼女は誰よりも分かってくれている。
正輝は、これまで数多くの若い女性と付き合ってきて、周りから言わせれば女たちを“育ててきた”らしいが、唯だけは違う。
今年43歳になる正輝は、17歳も下の唯に、激しく”恋”をしているのだ。
この記事へのコメント
早く縁を切った方がいいけれど、正輝が唯に蝕まれているように、唯も佑真に蝕まれているんだね……。怖い……。