毎週金曜日に、ひっそりとオープンする“三茶食堂”。
世田谷の地元民や業界人がよく訪れるというこの店には、年齢や性別を問わずさまざまな人が来店する。
この店のオーナーの直人(45)曰く、ここで繰り広げられる人生相談を聞いていると、東京の”いま”が知れるのだとか…。
さて、今宵のお客さんは?
Case1:“東京キラキラ沼”にハマった、WEB系代理店女子
17時が過ぎ、あたりが薄暗くなってきた頃―。
僕は店のドアの横にある小さな灯りをつける。三軒茶屋駅から茶沢通りを歩き、SEIYU近くの一本裏路地を入ったところに店を開いて、1年ほどが経った。
昔ながらの情緒と近代的な風景が入り混じる、三軒茶屋という街。
街と同じくここに住む人たちは個性豊かだ。年齢層も幅広いし、初対面でも同じカウンター席で飲むと一瞬で打ち解けるような気安さがある。だからこそ、この街で店を出したかったのだ。
—カラン。
重い木の扉が開くと同時に、威勢の良い声が店内中に響き渡った。
「ちょっと直人さん、聞いてくださいよ〜!今日はクリスマス。世間は幸せカップルで溢れているっていうのに、なんで私は今年も彼氏がいなくて、1人寂しくここにいるんだと思いますか?」
彼女は渋谷にあるIT関連会社勤務で、名前は真帆(29歳)。
キラキラ女子しか入れないと評判の会社で頑張っている彼女は、今日はいつにもまして荒れているようだった。
この店は大々的な宣伝もしていないし、来るのは常連か紹介の人ばかり。
だがたまにこうやって、面白いお客さんがやって来るのだ。
この記事へのコメント
真帆と柴崎、プライベートでも近づくといいな😊
気付けて良かったけど、最後にティンカーベルとか言ってる時点でまだ夢見てる感じがしてちょっと心配になっちゃうわ笑