
世渡りの猛者たちにもまれ、冴えないOLがたどり着いた答えは…「東京戦略時代」全話総集編
職場は、戦場だ。
出世争い、泥沼不倫、女同士の戦い…。
繰り広げられる日常は、嘘や打算にまみれているかもしれない。
そんな戦場でしたたかに生きる「デキる人」たち。
彼らが強い理由は、十人十色の“勝ち残り戦略”だった。
大手IT会社に勤務する25歳の花山 樹里は、そんな上司・同僚・後輩と関わりながら、それぞれの戦略を学んでいく…。
「東京戦略時代」一挙に全話おさらい!
第1話:オンライン会議のカメラの前で…。異例の出世を遂げた魔性の女の”武器”
「もう15時10分になったけど、まだかしら…」
はあ、とため息をつきながら、花山樹里はスタジオをぐるりと見渡す。
今日は樹里が担当する新サービスのPRムービー撮影日。
15時頃には顔を出すと言っていた樹里の上司・紗栄子の姿は、まだ見えなかった。
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第2話:「あの子、俺のこと多分好きだな」社内評価の高い男が、恋心まで利用する理由
「今日よかったら、ランチ行かない?午後のミーティング前の擦り合わせも兼ねてさ」
この誘いの真意は、こうだ。
“午後のミーティングは大切で上手く進めたいから、ランチがてら花山さんに事前にインプットしておこう。”
樹里は突然の誘いに浮かれ心地になっているかもしれない。木下にとっては、それも仕事のクオリティを担保する材料のひとつだ。
ー申し訳ないけど、女性の好意も利用させてもらう。…『下調べと下準備がすべて』だから。
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第3話:自分の歓迎会を断固拒否。馴れ合いを嫌う合理主義の女が、寂しすぎて手を出したものは…
愛子は今から約1年前、上司・紗栄子率いるチームに異動してきた、樹里の同僚だ。端正な顔立ちを生かしたナチュラルメイクと、クールで上品なパンツスタイル。左手に光る明らかに高級な指輪。
普通ならニコニコしながら自己紹介をするであろう場面でも、愛子はニコリともせずに淡々としている。そんな愛子から樹里が受けた第一印象は、決して良いものではなかった。
ー私、この人とうまくやっていけそうにない…。
そのきっかけとなったのは、昨年末に起きたある”事件”だ。
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第4話:「これってダメなことなの…?」会社の忘年会で“非常識”と言われた男が、やってしまったこと
ー彼女は、損をしている気がする…。
アンドリュー自身も、”損している”ことに気付いていない時期があった。だけど、今は分かっている。『周りの権力を利用する』ことは悪いことなんかじゃないし、むしろそれも実力のうちなのだ。
ー「利用する」の意味、僕の苦い思い出とセットだけど、花山さんには話してみようかな。
思い立ったアンドリューは、首をかしげる樹里に向かって口を開いた。
「ちょっと恥ずかしい思い出もあるけど、数年前に、ある人に言われたことなんですよ」
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第5話:ただならぬ関係の男女が出張先で…。部下にバレかけたその時、男が放ったセリフ
ー大人の色気溢れる表情ね…。接待の緊張もあるけど、部長の笑顔にもなぜかドキっとしちゃったわ。
職場ではいつも厳しい部長に、不意に向けられた少しとろっとした優しい笑顔。樹里は、不意に鼓動が早くなるのを感じる。だが、照れ隠しのようにあいまいに微笑んだその時、何やら不服そうな顔をした紗栄子と目が合った。
「…ちやほやされるのもね、今のうちだけよ…」
耳元でそっと囁くように冷たく、樹里だけに聞こえるトーンで放たれた言葉。
「…え?」
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第6話:「そんなことまで聞いてくるなんて!」同僚の私生活を探る女が、それでも嫌われないワケ
ーコロナ禍でもがっちりみんなの心掴んで、さすがだわ。少し紗栄子さんに似てるかも。
会議も終盤に差し掛かった頃、樹里が少しボーッとしながら淹れたてのコーヒーを口にしていると、ピコン、とPCの通知音が鳴った。
<花山さん、この後時間ありますか?ちょっとお話があって…>
送られてきたのは、時永から樹里への個人宛てのチャットだ。
ーえ…、話ってなんだろう…?
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第7話:月々30万円、彼氏からのお小遣い。社内の悪評をものともしない32歳女のやり方
翌日会社に行くと、同じチームの愛子が誰かと神妙な顔でヒソヒソと話している。
ー愛子さんが仕事中に雑談とか珍しい…どうしたのかしら?
「おはようございます、何かありました…?」
「営業部のめぐみさんの噂よ。この前、須田部長とバーでデートしてたらしいのよ、不倫よ」
愛子が軽蔑の混じったような冷たい顔で、そう言い捨てた。
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第8話:突然の退職…自慢話ばかりのマウント男が、衝撃の結論にたどり着いた理由
ー紗栄子さんとの仕事は、やりづらいよな…。
間宮は、会議室で目の前に座る紗栄子と樹里を交互に見ながら、二人に気づかれないようにため息をついた。
そして、ミーティング中であるにもかかわらず、数年前の出来事を思い出す。
ー”あの時”以来、紗栄子さんには距離を取られてる気がするし…。
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第9話:「悪口好きの相談女」と思われていたミーハー女子が、わずか2ヶ月でデキる女になる方法
「いいんじゃない?木下さんって優しいし、的確なアドバイスくれるわよ」
樹里の返事を聞いたエリカはニコっといたずらっぽく笑うと、「ですよね!後で話しかけてみよーっと」と返した。
そして、あっという間にまたしても話題を変え、最近注目のカフェやアプリの話をマシンガントークで繰り広げだす。
ー本当に典型的な“ミーハー女子”って感じ。
適当な相槌をうちながら、樹里は目の前のエリカに向かって心のなかで呟いた。
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