私、やっぱり結婚がしたい Vol.3

平日夜20時45分に、男から初デートの誘い。呼び出された場所を見て、女が凍り付いた理由

コロナ禍で、先行き不安な社会情勢。それは私たちの結婚観にも確かに影響を与えた。

孤独や不安感から「結婚したい!」という気持ちが増す女たちと、「もっと安定してからじゃないと...」と慎重になりがちな男たち。

明らかにこれまでとは様子が変わった、婚活市場。令和の東京におけるリアルな婚活事情を、ご覧あれ。

◆これまでのあらすじ

コロナ禍で婚活を始めた日奈子は、マッチングアプリで佐藤と知り合う。ところが高級鮨目当てで食事に行った仕打ちなのか、佐藤から長文の嫌味LINEが送られてきてしまった…

▶前回:デートの帰り道、男がしてきた行為にゾワッ…。高級鮨店のお誘いに釣られた女に、訪れた悲劇


「うん、やっぱりここのお肉は、タレが最高〜!」

私は、渋谷『ゆうじ』で上カルビを味わいながら、感嘆の声を漏らした。

一緒にいるのは、女友達の美緒。パーカーにデニムを合わせ、いつもよりラフな格好で女同士の焼肉を楽しんでいる。

美緒との出会いは、共通の知人の誕生日パーティーだ。

経営者たちに気に入られようと必死に媚び諂う女性ばかりの中で、私たちだけが純粋にその場を楽しんでいた。

それを瞬時に感じ取ったお互いが、仲良くなるのに時間はかからなかった。

今では頻繁に二人で飲みに出かけて、近況報告する仲。そして彼女は、始まったばかりの婚活なのにさっそく戦線離脱してしまいそうになった私を、救ってくれた女神でもある。

「ほんと美味しい〜!でも、よく予約できたね。駿太郎さんにお店取ってもらったとか?」

駿太郎は、美緒のことがお気に入りな不動産経営をしているオジサンだ。てっきり今回も力を借りたのだと思っていたのだが、その予想は裏切られた。

「ううん、自分で取ったよ。駿ちゃんとはもう最近会ってないな〜」

「そっか...」

美緒は、類稀なる美貌と頭の回転の速さから、年上の経営者たちにすごくモテてきた。その武器を使い、かつては六本木の高級マンションに住んでいたことも知っている。

でも、あの頃とは纏っている雰囲気が変わり、自分の足でしっかり立っている印象を受けた。

私のように、お鮨につられて好きでもない人と食事など行かないだろう。

ネガティブに傾きそうな自分の気持ちを持ち直すため、私はグラスに残っているビールを一気に飲み干した。

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