今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.38

高級志向から自然派へ!この20年間でワインもトレンドに変化あり!

――ただ?

柳「僕も2000年代の初めに神輿を担いでしまった罪があるのだけど、当時、日本で売られていた自然派ワインの中には質的に問題があるものも多かった。

すぐに褐変したり、鼠臭がしたり、お酢になってたり。最近はそういったワインもだいぶ淘汰されてきたと思うけどね。」

濃厚&リッチ&パワフルより、じんわり染み入る薄旨が人気


――で、その後は?

柳「2010年頃から話題となった日本ワインでしょ。ヴァン・ナチュールの支持者と日本ワインの支持者は多分に重なっている気がする。

日本ワインの造り手がみんな無農薬、無添加というわけではないけど、できるだけ酸化防止剤は使いたくないという人が少なくないし。

小規模で慎ましく、苦労を厭わずにワインを造っている姿に共感を覚えるのかも。」

――ここ最近、日本ワインを見かける機会が増えました。

柳「とくにここ10年くらいの傾向だけど、リッチでパワフルなワインと比べ、いわゆる薄旨なワインの人気が高い。

抽出が控えめだから色は薄く、タンニンの渋みも少なめ。その反面、じんわり滲み入るような旨みがある。ヴァン・ナチュールとか日本ワインにはその手のタイプが多い。」

――それで柳さん、20年目突入の景気付けに、何か一本、おすすめを教えてください。

柳「それなら誕生した年のワインがいいんじゃない?2001年というとソーテルヌの当たり年だ。」


――ソーテルヌ?

柳「シャトー・ディケムを頂点とする、貴腐ブドウから造られたボルドーの甘口白ワインのこと。文字数の都合で、貴腐ブドウの説明は割愛させていただきます。」

――では、これよりシャトー・ディケム買ってきまーす!

柳「あ〜、値段も確認せずに飛び出して行っちゃったよ。」

たとえば、こんな1本
「シャトーリューセック ソーテルヌ 2001」

2001年のシャトー・ディケムは10万円近くするので、おすすめは、お値段5分の1のこちら。ブドウ畑はシャトー・ディケムに隣接し、オーナーはシャトー・ラフィットを所有するロスチャイルド家と申し分なし。馥郁としたフレーバーと甘美な味わい。

19,250円/有限会社ワインセラー ウメムラ TEL:0564-22-0263

教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。
迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える。

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この記事へのコメント

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ワインはあまり飲む方では無いのですが、地元が特区に指定されていて、ワイナリーが何ヶ所有りますので、ワインを買う時は、少し高めでも地元ワインを買うようにしてます。
2020/11/11 07:430

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