2020.11.11
いつだって、どこだって Vol.2運命の人とは、いつだって、どこだって出逢う可能性がある。
恋の舞台は、東京だけじゃない。
思いがけず、旅先で恋に落ちてしまうことだって、あるかもしれない……。
とっておきの恋と旅の思い出は、何年経っても色褪せず、その人の心を彩り続ける。
これは“旅”を通じて、新しい恋に出会った女達の4話完結ショートストーリー。
1話~4話の舞台は、バンコク。
◆これまでのあらすじ
英莉は、友人とバンコク旅行に行き、駐在員の樹(イツキ)と出会う。出会ったその日に、勢いで樹のマンションについていってしまったが…
▶前回:「一夜限りでもいい…」出会ったその日に、女が商社マンの甘い誘惑に乗ってしまったワケ
DAY2
午前6時。
樹の腕の中で目覚めた英莉は、自分が今バンコク旅行中だということ、何故か滞在先のホテルではなく現地駐在員の家に泊まっているという現実を思い出す。
眠りについたときは真っ暗だった部屋は、うっすら明るい。
―私、何やってんだろう…。
彼氏は途切れず作っていたけれど、出会ったその日にお泊りなんて今までしたことがない。それなりに真面目な恋愛をしてきたつもりだ。
ーこういう場合、彼が起きたらどんな顔するのが正解なんだろうか…
なんて思っていると、樹の手が英莉の髪に優しく触れた。
「英莉ちゃん…。おはよ…」
ベッドの中で気だるい声で、優しく英莉を後ろから抱きしめてくる樹の体温を感じながら、もう少しだけこうしてたいと思ってしまう自分がいた。
『ダメダメ、流されちゃいけない』そう自分に言い聞かせて、彼の腕をゆっくりと外しベッドから降りて、立ち上がった。
「もう帰っちゃうの…?」
そう言いながら、彼がすかさず英莉の腕を掴んできた。まるで英莉を引き止めるかのような仕草にドキっとしてしまう。
「…今日は、土曜日だし、俺も休みなの。一緒に王宮のほう行ってみない?ランチできるオススメのお店に連れて行くよ」
―もしかして、引き止められてる?一晩だけのつもりじゃないの?
振り向いて、樹の顔を見ると、顔をクシャっとさせて屈託のない笑顔をこちらに向けている。
ーもう、そんな顔で見ないでよ…。
「そうねぇ。夜は、桃華と食べる約束だからそれまでなら…」
自分の意思とは裏腹に、口が勝手に彼の提案を受け入れる返事をしていた。
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