高嶺のカナ Vol.6

「2人は付き合ってるの?」イケメンから聞かれた、交際したての男女。その時、女の答えは…

「好きになった相手は、高嶺の花だった」。

もしもあなたが、手の届かないような存在の相手を好きになってしまったら、どうしますか?

石崎健人(27)が恋に落ちたのも、自分には釣り合わないと諦めていたような“高嶺の花”。

それまで身の丈にあった、分相応な人生を送ってきたはずの男が、憧れの女性を手に入れ、結婚まで漕ぎ着けた方法とは…?

◆これまでのあらすじ

それは2年前、健人が25歳の頃のこと。運良く交際にこぎつけたものの、距離が縮まらずに焦っていた健人。だが花奈の悩みを知り、あることを提案する。


健人は、目覚まし時計が鳴るより早く目が覚めた。

これまではスヌーズ機能に頼りっぱなしで、ベッドでギリギリまで粘っていたというのに。

ベッドから手を伸ばし、窓のカーテンを思い切り開けると、白く強い日差しが部屋に差し込んできた。

急いで起き上がり、出かける準備に取り掛かる。最近は、少しばかり時間がかかるのだ。

さっとシャワーを浴び、洗顔フォームで顔を洗い、丁寧に髭を剃る。仕上げに化粧水で保湿し、髪はワックスをつけて整えた。

実は、以前は適当にドラッグストアで買っていたシャンプーやワックスも、少し高級なものに変えてみた。

ついこの間まで、バシャバシャと水だけで顔を洗って、寝癖のついた状態で出社していた自分とは大違いである。

時刻は、午前7時を少し回ったところ。

店に到着すると、すでに花奈の姿があった。健人の姿を認めると、彼女は嬉しそうに手を振って出迎えてくれた。

「おはよう」

花奈が直前まで開いていた今日の課題図書が、少しだけ健人にも見えた。

「すごい書き込みだね。夜遅くまで勉強してたの?」

「健人に負けてられないからね!」

元気いっぱいの花奈の明るい表情が、たまらなく愛おしかった。

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