2020.05.22
恋愛依存症 Vol.12童顔で可愛いルックスと、明るく物怖じしないキャラクター。男を振り回す天性のあざとさから、寄ってくる男はよりどりみどり。
ただし、それも交際前までー。
付き合う前はモテるのに、交際期間は最長3ヶ月。恋愛が全く続かない女。31歳の絵麻(えま)も、そんなうちの一人だ。
なぜなら彼女は、いわゆる「恋愛依存症」の女。重すぎて、いつも男に逃げられてしまう彼女が、幸せを掴む方法とは?
「恋愛依存症」一挙に全話おさらい!
第1話:男にチヤホヤされるのは交際前まで。31歳のあざとい童顔美女が、2週間で捨てられる理由
「私、彼と三越で待ち合わせてるからもう出るけど、絵麻は?」
レイナの彼氏は、中小企業の社長をしている。どんなに忙しくてもレイナのために時間を作る、という愛されっぷりが心底羨ましかった。
「まーくんの家、行ってくる。朝から連絡取れないけど」
「…絵麻。レスがないなら放っておきなよ」
レイナのそんな忠告は、全く耳に入ってこなかった。
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第2話:男性陣が一斉に狙う、最強の31歳・モテ女。だけど彼女が誰にも言えない、本当の姿とは
「三上さん、お疲れ様です!」
いきなり斜め後ろから声を掛けられ、慌ててChromeを閉じる。そこにいたのは、同じクライアントを担当している営業の橋田守だった。
私の勤めるインターネット通販会社では、マーケターと営業がチームを組んで仕事をする。私は中途で入社したが、今はこの入社3年目の橋田と一緒に、健康食品や美容商材を主に担当している。
「どうしたの?打ち合わせ、来週に変更になったよね」
「はい。えっとそうじゃなくて、すごく急なんですけど、今週の土曜日空いてます?営業とマーケの若手で毎年“芋煮会”をやっていて。二子玉川の河川敷でやるんですけど、来られませんかね?」
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第3話:「どうしたら正式な彼女になれる?」女が男の気を引くために計画した、とんでもないサプライズ
先日の食事会で知り合った潤平は、同棲していた人と半年前に別れ、今は完全にフリーだという。
色白で端正な顔立ちに、ほぼ黒しか持っていないというハイセンスなファッション。細そうに見えて実はしっかりした身体や声、匂いも、全てが私のタイプだった。
出会った日から3日間空けずに連続で会い、そのどれもがとても楽しくて、昨晩もつい飲み過ぎてしまった。洗濯機の音で目が覚める。お酒には強い方だが、明らかな二日酔いの頭痛だ。
パジャマのまま冷蔵庫からペリエを取り出し、一気に半分飲んだところで、スマホが鳴った。
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第4話:男を追って、こっそり旅先まで押しかけたら…。女が部屋で目撃した、ショッキングな光景
「え!?絵麻?なんで、ここにいるの?」
潤平が私に気づき、ホテルのロビーで驚いた声を上げた。
その後ろには、私の見知らぬ男、そして女が同じようにポカンと口を開けて立ち尽くしている。
私は潤平のもとに駆け寄った。
「その人たち、誰なの?どうしてこんな時間にホテルに来てるの?説明してよ」
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第5話:「どうしたら彼を夢中にさせられる…?」友人の忠告に従って、女がやってみたコト
「絵麻のことは、ちゃんと恋愛対象として見てるから手を出せなかった。でもその美里って人のことは友達であり相談相手であり、欲求不満の解消相手、っていう感じなんでしょ」
理解はできるけれど、全然納得できなかった。あの後、美里を泊めたのだろうか。想像しただけで気分が悪くなる。
「絵麻ってさ、"好きな男に抱かれること"に相当の愛を感じるタイプじゃん?だから、今はまだ潤平くんにそこまで依存してないでしょ。やめるなら今だよ」
まさに図星だ。だけど、まだ勝算はあると思っている。
「…もしもレイナだったら、このあと優位に持っていくために、どうする?」
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第6話:既婚の友人が漏らした一言に、女が気づいた真実とは
あの日、美里のインスタを見つけ、そのスクショを潤平に嫌味と共に送りつけたあと、案の定連絡が来なくなった。
「潤平のことは、しばらく考えたくないかも。途中までレイナのアドバイス通りにできたんだけどね。ちょっと色々やりすぎちゃった...」
「そっか。でも福岡まで行くなんて、さすがだわ!絵麻のそのぶっ飛んでるところ好きよ。それに男って、音信不通にしてまたすぐに連絡よこしたりする生き物だから」
レイナは、マンハッタンのグラスを片手に明るく励ましてくれ、それだけでだいぶ救われた。
「今日は、私のことはいいから。レイナの相談事を聞こうか」
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第7話:デート現場に現れた彼女を見て、男がシッポを巻いて逃げ帰ったワケ
潤平が好き。それは出会った頃から変わらない。だけど、美里が言った"潤平はただの女好き"発言も聞き逃せなかった。
そこで、かなりリスキーではあるが、あることを思いつく。私のことを彼女候補として見てくれているのか、そうじゃないのかが、これでハッキリとするはずだ。
まず、インスタで別人の裏アカウントを作った。プロフィール画像は後ろ姿の自分の写真にして、顔が写っていない適当な写真を何枚か投稿した。
捨てアカだと思われないよう数日間その行為を繰り返し、色んな人への"フォロー"と"いいね"をすることも忘れない。そうして出来上がった裏アカウントから、潤平のインスタへコメントをする。
無視されることも覚悟の上だったが、意外にも律儀にコメントに返信してくれ、相互フォローまでたどり着くのも予想以上に容易だった。
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第8話:好きなタイプの男じゃないのに、気になる…。子犬系男子が見せた誠実な行動とは
「ここ、美味しいですよ。愚痴ならいくらでも聞きますから飲みましょ」
「うん...じゃあ少しだけなら」
こうして私は、初対面の人と食事をすることになった。彼がオススメだというメニューを何品か注文する。
確かに何を食べても美味しく、日本酒も珍しいものばかり。潤平は来たことがあったのだろうか。気を抜くと、そんなことばかり考えてしまう。
お酒が少しずつ進むにつれて、私が潤平のことを話し始めると、美味しそうにビールを飲んでいた彼はピシャリと言った。
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第9話:男として意識していなかった相手に、女が再会して心を鷲掴みにされた瞬間とは
「あのね、来週知り合いが新店オープンのレセプションパーティーするの。タイ料理のお店でさ、グリーンカレーとかヤムウンセン、好きって言ってたよね?」
「まぁ、アジア系の料理はなんでも好きだけど...」
急に話を変えて、空気を明るくしようと努めるレイナが憎めなくて笑えてきた。
「その飲食店のオーナー、結婚する前からの知り合いで。ちょっと気になってる人なの。一緒に行ってくれる?」
半ば強引に押し切られ、気乗りしないまま行くことが決定した。だが、後に私はレイナに感謝することになるとは、この時はまだ予想もしていなかった。
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第10話:まだ一緒にいたいけど、軽い女と思われたくない…。デートの最後、悩む女に男が言った予想外のコト
穏やかな風を感じながら空の声を聴いていると、うまく言葉にできないけれどとにかく心地が良い。家に着いても中へ入るのが惜しくて、なかなか電話を切れなかった。
「明日もし空いてたら、ごはん行きません?話してたら会いたくなっちゃいました」
そう誘われたら、行くと即答する以外の返事は見当たらない。
ーこんな人が彼氏だったらいいのに。
いつの間にか、そんな欲求さえ芽生えてしまっていた。
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第11話:男女が新鮮さを保てるのは、最初だけ?交際して2ヶ月で、女が不安になった理由
「距離感がおかしい」「恋愛や彼氏に依存しすぎ」。そう言われたことは1度ではない。だけどそれは、他人との距離をある程度保ちたい人の意見でしかない。
そういう人は、恋人と3週間会えなくても"付き合っている"と言い張る。私から言わせれば、そんなの他人と同じだ。
もちろん、一緒にいても常に行動を共にするわけじゃない。彼がテーブルでコーヒーを飲みながら仕事をしていたら、私はソファに座ってNetflixでドラマを見ていたりする。
同じ空間で別々のことをする。だからずっと一緒にいても飽きることはない。それが空となら叶えられるのだ。恋愛やその他の価値観が似ている空に対して、特に不満はなかった。
ただ、一つのことを除いては。
第11話の続きはこちら
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