供されるのは、メインがおでんというコース料理のみ。とはいえ、おでん種を煮込むのは和風だしではなく鴨のコンソメスープだ。それも6年前の開店以来注ぎ足されているもので、口に含めばタネの味わいと共に、スープの香と旨みがブワッと広がる。
柔軟な発想から生まれたおでんは、ワインと合わせるとため息がこぼれる美味しさ。タネは季節ごとに変化するが「まだまだ試してみたいタネはある」と店主・野尻氏は意欲充分。進化し続ける『びのむ』のおでんとは、長く付き合っていきたい。
AKIMOTO’S COMMENT
銅製の鍋は見るからにおでん鍋。
中も練り物や大根などやはりおでん。しかし鍋の中のスープは鴨で取ったもので、ネタを食べればワインにぴったり。その意外性、味わいにやられるはずです。