2020.05.08
妻のベール Vol.16結婚相手に経済的安定を求める女性は、多いと聞く。
結婚相手の職業人気ランキングを見ても、その通りと言えるだろう。
しかし中には、夢追う夫を信じ、支える“献身的な妻”というものもいる。
IT社長として成功した柳川 貴也(やながわ たかや)の妻・美香もそうだ。
一緒に貧しい時代を乗り越え、今でも夫の一番の理解者。彼女の支えがあったから成功出来たと言っても、過言ではない。
しかし、夫の思いとは裏腹に、財を手にした妻は豹変していく。欲望のままに。
「妻のベール」一挙に全話おさらい!
第1話:控えめだった妻が別人のように…。経営者夫を支える地味な女が、本性を露わにした夜
「美香が作る朝食は、世界一のパワーモーニングだな」
「貴也ったら、大げさなんだから。簡単な作り置きばかりよ」
照れ臭そうに笑う美香を、そっと見つめる。
−いや、本当に君は、素晴らしい女性だよ。
恥ずかしくて口には出来なかったが、心の中でそう呟いた。
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第2話:妻がクローゼットに隠し持っていた大量の箱。夫が衝撃を受けたその中身とは
−さて、店は確かこの辺りだっけな…?
Googleマップをスマホで見ながら、レストランの入るビルにまもなく到着しようとしたその時、貴也の目の前にタクシーが止まった。
−あれ…?
驚くべきことに、中から颯爽と降りてきたのは、美香だった。
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第3話:「俺の妻は、あんな姿だったのか…?」妻の行動を見張っていた夫が目撃した光景
「La Perla」と書かれた大量の箱を前に、貴也は、呆然と立ち尽くしていた。カタログをざっと見てみたが、そのような高級ブランド下着を美香が身につけている姿を目にしたことはない。
−別の男の前でつけている…?
自分が見たことのない下着、それもセクシーな超高級ブランド。貴也の頭の中に、“不倫”の二文字がぐるぐると駆け巡る。
「…ああ、もう!」
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第4話:貞淑な妻が、夫に隠れて企んでいた事とは?妻のアカウントから明らかになった真実
「こちらが、美香さんを尾行していた際に撮った写真です」
写真を見た貴也は、言葉を失った。
そこには、普段とは全く違う洋服で街に繰り出している美香の姿があったのだ。
ざっくりと開いた胸元に、太腿がちらりと覗くドレスを身に纏い、颯爽と歩く姿は、いかにもパーティー好きな “派手な女”そのものだ。
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第5話:「結婚当初は、あんなに可愛げがあったのに」。夫がショックを受けた、豹変した妻の姿
貴也は、探偵会社から得た証拠の数々を提示することにした。美香がはぐらかすのであれば、早めに証拠を出して話し合おうと思っていたのだ。
「これを見てほしい」
美香も感情的にはなりにくい方だ。これでおとなしく話し合いに応じて欲しい、そんな考えもあって提示したのだが…。
妻の反応は、貴也の期待から大きく外れたものであった。
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第6話:禁欲的な結婚生活なんて、もう限界。純朴な妻のフリをしていた女が、夫の留守中やっていたこと
−そろそろ限界だったし、仕方ないわ。
夫が探偵に自分のことを調べさせていたのには驚いたが、これ以上“地味な妻”や“貞淑な妻”を演じるのは無理だと思っていた。
だからこんな形になってしまったが、自分の本心をさらけ出せてむしろ良かったのだと、スッキリした気持ちの方が大きい。
「…良い思い出だと思ってるのは、あなただけよ」
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第7話:「最初から、妻は財産狙いだったのか?」夫にいきなり離婚届を突きつけた女の、本当の狙いとは
突然離婚届を持ってきて、サインしろだなんてあんまりではないか。貴也が慌てて呼び止めようとしたとき、美香は振り返って、吐き捨てるように言った。
「私、このマンションいらないから」
いきなり何を言い出すのだろうか。思わず貴也は、心の中で毒づいた。
−いらないも何も、お前は一銭も払ってないじゃないか…!
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第8話:「夫の目の前で、他の男に夢中になるなんて」妻が垣間見せた本性とは
妻が一度は離婚届を突きつけてきたものの、そう簡単に財産がもらえないのがわかった途端に引っ込めたことは…今は明かさないでおいた。この問題について、自分にも非があるのではないかと思われたくなかったのだ。
「まあ女性は多かれ少なかれ、流行り物とか、煌びやかなものに弱いですからね」
目の前の40代後半にもなろうかという弁護士は、苦笑しながら言った。
−そういえば…。
その言葉が引き金となり、貴也は唐突に思い出したのである。美香に“ミーハー女の素養”があったことを。
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第9話:「妻にこんなことをした記憶は無いのに…」妻が手帳に記していた、夫の恐ろしい行動の記録
−あれ…?
弁護士と初回の相談をした翌日、出勤していた貴也は家に忘れ物をしたことに気づき、一旦帰宅することにした。
この後、また同じ弁護士との打ち合わせを控えている。帰宅したその足で事務所に向かおうと考えていた。
自宅のドアを開けたところで、すぐに違和感を覚えた。朝出る時にはなかった女物の靴が散らばっていたからである。
−美香が帰ってきているのか…!
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第10話:夫婦円満だと思っていたのは、夫だけ…。妻が水面下で進めていた、とんでもない計画とは
「記録の一部ということですから、断言はできませんが…。DV、いわゆる家庭内暴力の記録のように見受けられますね」
貴也がスマホに収めた美香のメモを見て、弁護士は疑いの目を貴也に向けた。
「えっ…」
貴也は頭が混乱する。当然、身に覚えのない出来事だったからだ。
−家庭内暴力…? いったい何の話だ?
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第11話:「旦那さんのこと、憎いでしょ」満たされない妻に近づき、悪魔のようにささやく人物とは
“例のメモの準備はどうですか?”
美香はその“メモ”が入っている自分の鞄を一瞥し、“問題ないわ”と手短に返信を打つ。自分のこれからの生活のためとはいえ、ありもしない、嘘で塗り固められた日記みたいなものを書くのはしんどかった。
−でも、この人のいう通りにしていればきっと大丈夫。
美香はうっとりとした表情で、彼のことを思い出した。
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第12話:「こんな気持ちになるの、いつ以来…?」女がときめきを抱く、相談相手とは
「店の場所、少し分かりにくかったですか?」
苦笑しながら“彼”は立ち上がり、美香のために椅子を引いてくれた。彼はスラリと背が高く、鍛えているのが一目でわかる身体つきだ。スタイルだけでなく、顔も完璧に整っており、まさに美男である。
「そんなことないわ。今夜はありがとう、財前さん」
その男は、貴也の後輩でもある財前利樹であった。
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第13話:「気がつけば、いつもあの人のことを考えていた」男が抱いていた、ひそかな感情とは
酔っ払いの戯言をまともに取り扱う必要もないと、最初は聞き流していた。だが、彼女の話にいわゆる猥談が混じり始めた時、財前は我慢の限界に達したのだ。
そこで、強制的にこの場を切り上げることにした。
−ここまで付き合えば、さすがに不満はないだろう。
今、彼女の機嫌を損ねたら、計画が台無しだ。
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第14話:時すでに遅し…。妻のありがたみにようやく気がついた夫が、見てしまった衝撃のワンシーン
まだうす暗い室内で、貴也は目を覚ました。カーテンの隙間から、一条の光が差し込んでいる。妻・美香が出ていった後の部屋は、埃っぽいように感じる。
それだけ彼女が、普段から家の中を整頓してくれていたということなのだろう。一人暮らしになってから、美香のありがたさが分かるようになった。
昨晩は、呑んだくれてそのままソファで寝てしまった。ベッドで寝なかったせいか、全身の節々が痛む。
再び眠ろうと目を瞑ったが、眠気が訪れることはなく、ただただ横たわって宙を見つめていた。
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第15話:「妻がこんなことを考えていたなんて…」妻を想う夫が、互いの未来のために決断したこと
貴也の頭の中は、クエスチョンマークで埋め尽くされていた。
美香の居場所を探るため、探偵に再び依頼した。居場所が分かったことにホッとしたのも束の間、探偵が送ってきた写真には、美香と財前の姿があったのだ。
「なんで財前が…?」
そう呟くと同時に、1つの可能性に思い至る。
「まさか美香は、財前と…?」
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