SPECIAL TALK Vol.66

~「やるべきことを、時間をかけて丁寧に」。多分野での挑戦を経て見えてきたものがある~

2020年のニューリーダーたちに告ぐ

伝説的なバラエティ番組『オレたちひょうきん族』でお茶の間の人気者となった片岡鶴太郎氏。

芸人として活動するかたわら、役者としても才能を開花させるが、活躍の場はテレビばかりに留まらない。

30代でプロライセンスを取得したボクシング、40歳で始めた墨彩画、そして60歳近くになってのヨガ・瞑想。自身の関心に合わせて、ジャンルにとらわれず挑戦を続けてきたその意欲は、還暦を過ぎてますます盛んだ。

次々と異分野へ進出するきっかけは何だったのか。それほど多くの挑戦を支える原動力は何なのか。

片岡氏のこれまでの歩みを振り返りながら、次世代のリーダーがどう生きるべきか、そのヒントを探る。

片岡鶴太郎氏 高校卒業と同時に片岡鶴八師匠に師事。3年後ひとり立ちし、東宝名人会、浅草演芸場に出演。23才の頃からテレビに進出。その後、フジテレビ『オレたちひょうきん族』でお茶の間に浸透し、人気を博す。バラエティを中心に活躍していたが、やがてドラマの分野も開拓。33才の時、プロボクシングライセンスを取得。40才で墨彩画に魅せられて絵を描きはじめ、個展を開くなど画家としての道も歩みはじめた。2017年にはインド政府公認「プロフェッショナルヨガ検定・レベル1」に合格。その多芸、多才ぶりは今も健在。

金丸:本日は俳優をはじめ、多方面で活躍されている片岡鶴太郎さんにお越しいただきました。お忙しいなか、ありがとうございます。

片岡:こちらこそお招きいただきありがとうございます。

金丸:今日の対談の舞台は、和食の名店『銀座 奥田』です。『ミシュランガイド東京』で3ツ星を獲得した『銀座小十』の奥田 透氏のお店で、『銀座 奥田』自体も1ツ星。聞くところによると先日まで、鶴太郎さんの息子さんが料理長をされていたそうですね。

片岡:ええ。うちの三男は料理人で、嵐山吉兆さんで8年、その後、こちらで7年お世話になりました。今度は赤坂で自分の店をオープンする予定です。

金丸:鶴太郎さんの真面目さと器用さをきっちり受け継がれたわけですね。

片岡:いえいえ(笑)。お店は、こぢんまりとしているそうですよ。

金丸:お店も会社も、最初は狭い場所でやるに限ります。「手狭になってきたな」と感じたら、少し広い場所に移る、というのを繰り返すのがいいんです。

片岡:金丸さんがそうおっしゃるなら大丈夫ですね。金丸さんとは同い年で、知り合って20年近くになりますが、ご一緒する機会は多くても膝を突き合わせてじっくり話すことはあまりなかった。今日はとても楽しみです。

金丸:私のほうこそ、お聞きしたいことが山ほどあります。最近では本格的にヨガに打ち込まれていますが。

片岡:2017年に、インド政府公認のプロフェッショナルヨガ検定に合格し、インド政府からヨガマスター、ヨガインストラクターの称号をいただきました。

金丸:非常に精悍になられて驚きました。普通、われわれの年齢で体を絞ったら、老けて見えることのほうが多いのに。

片岡:僕はむしろ、ハリが出てきましたね。

金丸:ツヤもあるし、うらやましい。今日は鶴太郎さんの歩みを振り返りながら、さまざまな分野で活動されることになったきっかけや、その原動力について解き明かしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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