「このまま、一生結婚できないかもしれない…」
そんな不安や焦りに、押しつぶされそうになったことはないだろうか？
見た目は悪くないし、モテなくもない。これまでに、結婚しようと思った彼氏だっている。
「でも、どうして"結婚”できないの？」
そんな不安を抱える全ての女性に「3ヵ月で結婚できる9つのルール」を贈る。
「叶実（かなみ）さんは、いいなぁ～！」
会社の後輩・紗知の声が店内に響く。
「公認会計士の彼氏さんって、たしか、35歳でしたっけ？もう結婚が“見えている”じゃないですか！」
渋谷のIT企業に勤める叶実と紗知は、ランチタイム、明治通り沿いのカフェにいた。
「うん、まぁ…。付き合って1年だし、そろそろプロポーズしてくれる頃かなって思ってるけど…」
叶実は満更でもなさそうに答える。
「私も早く結婚したいな。28歳までには結婚して、長野に帰りたいんです」
紗知は、長野にある老舗の和菓子屋の一人娘で、家業を継いでくれる男性を募集中だ。
いつもなら、「誰か良い人紹介してください！」がお決まり文句なのに、今日はごそごそとバッグの中から1冊の本を大事そうに取り出した。
その本の表紙には、こんなことが書かれていた。
『結婚したい女たちよ！婚活アドバイザー“椿恋”が教える、男を虜にする方法』
ーうぅぅ…胡散臭い！
あまりの衝撃に、反応がワンテンポ遅れてしまう。
「つばき…こい？」
もはや読み方さえ分からないわ、と思いながら恐る恐る尋ねる。
「つばき、れ・ん、です」
そんなことも知らないんですか、という表情で返してくる。
書籍のタイトルなのか、著者名なのかも分からないが、胡散臭いこと間違いなしの本を大切そうに抱える紗知は、この婚活アドバイザー“つばき・れん“とやらについて、語り続けている。
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