嘘 Vol.3

「曖昧な関係から彼女に昇格したい!」焦った女が、衝動的にとってしまった行動

どうしてあの人は、私のことを好きになってくれない?

恋愛の需要と供給ほど、バランスが崩れているものはないかもしれない。

好きなあの人には振り向いてもらえず、好きでもない人からアプローチされる。

そして、満たされぬ思いを誤魔化すために、人は自分に嘘をつく。

嘘で人生を固めた先にまっているのは、破滅か、それとも…?

満たされぬ女と男の、4話完結のショートストーリー集。1話~4話は、ー片想いー

◆これまでのあらすじ
紗英(26)は、彼女持ちの友也に心惹かれながらも、自分に気がある健二で寂しさを紛らわせていた。一方友也は、少しずつ紗英に心が傾きかけたようにも見えたが、遊びであることは変わりなかった。しかし、あることがきっかけで、2人の関係が変化する・・・?


ー健二:ごめん、仕事が終わらない、今日は無理だ。

別に健二に会いたかったわけじゃない。

寂しさを紛らわせることができるなら、誰でもよかったはずなのに…。

…それなのに。

自尊心が傷つくのはなぜだろう。

「紗英ちゃんが誘ってくれるなんて、僕ほんとに嬉しいよ」

平日21時、青山『CRISTA』

絵に描いたように鼻の下を伸ばした男が、満面の笑みでこちらを見つめている。

友也にも健二にも断られ、寂しさを紛らわすために呼び出したはずの男。

でも、心の隙間を気の合わない男で埋めると、虚しさが余計に増す。そんな自分の裏腹な感情にも嫌気がさしてくる。

「ちょっと酔っちゃったみたい。今日は帰ろうかな」
「え、紗英ちゃんまだ一杯しか飲んでないよね?」

さすがに見え透いた嘘すぎたか。

「うん…なんか疲れてて、最近お酒弱いんだよね…」
「そっか、そんな中わざわざ会いに来てくれてありがと。また飲もうよ!」

この男がおめでたい思考回路の持ち主で助かった。結局、心の隙間は埋まらなかったが、大した罪悪感を感じずに、この場を抜け出すことができた。

しかし数日後、この暗澹たる気分が、一瞬で吹き飛ぶ事実を知ることになる。

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