女にとって、人生で最も幸せなときと言っても過言ではない、“プロポーズから結婚まで”の日々。
そんな最高潮のときに婚約者から「別れ」を切り出された女がいる。
―この婚約は、なかったことにしたい。全部白紙に戻そう。
澤村麻友、29歳。
夫婦の離婚とも、恋人同士の別れとも違う、「婚約解消」という悲劇。
書類の手続きもない関係なのに、家族を巻き込み、仕事を失い、その代償はあまりにも大きかった。
ーさっさと忘れて先に進む?それとも、とことん相手を懲らしめる?
絶望のどん底で、果たして麻友はどちらの選択をするのか?
なんと良輔の浮気相手は、麻友の後輩・三原愛だったということが発覚。
現実をようやく受け入れた麻友は、イケメン弁護士・吉岡の助けを借りて、両家交えての話し合いに向かうのだった。
「お父さん、お母さん。お願いです。頭を上げてください」
良輔の両親が、麻友の実家のリビングルームで、頭を床に擦り付けて謝罪している。
―二人は何も悪くないのに…。ご両親にこんなことまでさせるなんて…。
麻友は良輔の母親の肩を抱き、顔を上げるように促した。
今日......
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この記事へのコメント
吉岡の冷静さとそんなセロテープみたいな女の誘惑に少しもなびかないところがスッキリポイントです。