ワーキングマザー。
それは働きながらも子育てをする母親の総称。
独身を謳歌するバリキャリ女子でもなければ、家で夫を待つ専業主婦でもない。
“母親”としてだけでなく、1人の働く女性としてキャリアを積みたい、と願う女性たちのことである。
だがそんな彼女たちに待ち受けるのは、試練ばかり。
青山の専門商社で働く翠(28)は5年間営業として働いた後、産休育休を取得し息子・颯太を出産、晴れてワーキングマザーとなった。
同期の凛から喧嘩を売られ社内で対立しながら、同期の健太からフォローされ、仕事に対するやる気を取り戻す。
そんな中、上司から告げられた人事考課で給与が下がってしまい、キャリアアップの難しさを痛感する翠だったが、先輩ママの絵里に新規プロジェクトの社内公募に応募することを薦められ、応募を決意したのだった。
翠は会社の化粧室で大きな深呼吸をして、鏡に映る自分と静かに向き合った。
ラインが綺麗で気に入っているブラックスーツは昨夜丁寧にアイロンをかけ、髪はきっちりとブローした。腕時計に目をやり、面接開始まであと10分であることを確認する。
このあと14時から、新規プロジェクトのメ......
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