1/3のイノセンス ~友達の恋人~ Vol.9

「私の本気、見て欲しいの…」既読スルーの彼と復縁を果たした、女のテクニック

特別だと思っていたのは、私だけだったの−?

広告代理店でコピーライターをしている橋本杏(24歳)は、同期の沢口敦史(24歳)に淡い恋心を抱いている。

しかし敦史はあろうことか、杏の学生時代からの親友・優香と付き合ってしまう

だが優香は敦史と付き合いながらも既婚者・入江との関係を清算できておらず、そのことが敦史にバレて、二人は距離を置いた様子

一方、杏は同期の健一とデートに出かけるが、まったく身が入らない。さらにはその日の夜、敦史が家までやってきて、あろうことかキスされてしまい動揺。

翌日、優香の挑発に闘志を燃やした杏は、覚悟を決めて敦史を呼び出した


杏:「敦史。どうして来てくれないの…?」


恵比寿駅のスターバックスコーヒー。

テラス席に一人佇む私は、ふいに身震いをして、慌ててカーディガンに手を伸ばした。

腕時計で時刻を確認すると、間もなく22時になろうというところ。突如、吹き抜けた夜風が思いのほか冷たくて、私は急に不安に襲われた。

“21時前には会社出られそう”
“私も同じくらい。恵比寿駅で待っててもいい?”
“OK。アトレのスタバで落ち合う?”

敦史とそんなやりとりをしたのが、つい2時間ほど前のこと。

…約束通り21時前に会社を出ているなら、もうそろそろ着いていてもおかしくない。

急な案件が入り、遅れているのだろうか。でもそれなら連絡をくれたっていいはずだ。

会社近くを避け、わざわざ自宅の最寄駅、恵比寿で落ち合うことにしたのは、誰に目撃されるかわからない場所で会いたくないと思ったから。

今夜は、ただの同期として会うわけじゃない。今度こそ、今夜こそ、素直な気持ちを伝える。そう決めていた。

会社の近くには、優香がまだいるかもしれないし…。

−優香。

物言いたげに私を見送った、彼女の眼差しを思い出す。その瞬間、私は冷水を浴びせられた気持ちになった。

−もしかしたら私、大きな間違いを犯した…?

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