1/3のイノセンス ~友達の恋人~ Vol.8

「あなた、女として見られてないもの」。親友ポジションの女を嘲笑う、恋敵からの痛烈な一言

「え…?」

突然の問いに、私は思わず息を飲む。

−優香は、何をどこまで知っている…?

私は彼女の様子を注意深く観察し、どう答えるべきかを探った。

会ってなどいないと言っておくべきか。いや、しかし、彼女の方に何かしらの根拠があって尋ねてきているとしたら墓穴を掘ることになってしまう。

瞬時にあれこれ考えを巡らせ、私は結局、会ったことについては認めることにした。

「ああ...確かに昨夜、敦史と会った」

しかしその返事を聞いた途端、優香の瞳が暗く沈むのを見て、私は慌てて付け加える。

「いや、でも通りすがりって言うか、本当にたまたまで、別に何も…」

動揺を隠し、早口で言い訳する。しかしそんな私を遮り、優香はどこか苛々とした声を出した。

「嫌だな、別に疑っているわけじゃないのよ。私はただ、会っていたかどうか確認したかっただけ」

そして次の瞬間。私をまっすぐに見据えると、可笑しすぎて堪えられないといった様子でプッと吹き出して見せたのだ。


「杏のこと疑うわけがないじゃない。敦史と杏がどうこうなるなんてあり得ない。敦史が杏を、女として見ているわけないもの!」

無遠慮に、高らかに笑う優香。その時、私の中で何かがプツリと切れた。

「…そうかな?」

意地悪く光る優香の瞳を受け止め、私はそう、一言だけを返す。 ......


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