慟哭の夜
その日、自宅に戻ることができたのは深夜遅く、日付が変わった後だった。
目黒駅から徒歩5分の場所に借りた部屋は、利便性に反し静かなエリアにある。深夜ともなれば物音ひとつ聞こえない。
「ただいま…」
誰もいない暗闇にそう独りごちたら、静まり返った部屋に疲れ切った声が響い......
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その日、自宅に戻ることができたのは深夜遅く、日付が変わった後だった。
目黒駅から徒歩5分の場所に借りた部屋は、利便性に反し静かなエリアにある。深夜ともなれば物音ひとつ聞こえない。
「ただいま…」
誰もいない暗闇にそう独りごちたら、静まり返った部屋に疲れ切った声が響い......
恋心の本質は、エゴイズムだ。
それが片思いなら、尚更。恋をすると、独占欲や嫉妬心に身体中を蝕まれ、イノセントな感情なんてきっと1/3にも満たない−。
広告代理店でコピーライターをしている橋本杏(24歳)は、同期の沢口敦史(24歳)に淡い恋心を抱いている。
“友達以上”の態度をとる敦史に期待してしまう杏。しかし敦史が恋人に選んだのは…あろうことか、杏を最も傷つける相手だった。
これはある男女が過ごしたひと夏の、切ないラブストーリー。
この記事へのコメント
自分の気持ちをはっきり伝えず、まあ気持ちもわからなくはないけど、勝手にうじうじ盛り上がって悲劇のヒロイン気取り。せめて無理に笑顔作るのやめたり、3人でごはんがわかった時点で断ったりしてもいいと思うんだよね…
まだ20代半ばだから仕方ないかな…
健一くんみたいな密かに気遣ってくれる子もいるけど、そんな魅力杏に感じないし...続きを見る…
うーん…