上京してからというもの、私の人生はパッとしない。
地元では「かわいいリカちゃん」と呼ばれ、散々もてはやされてきたけれど。
私程度の女なら、この街にくさるほど居るー。
地元を飛び出し、憧れの人気女性誌への入社を果たした秋吉りか子(29)は、自分の"無個性"にウンザリする日々を過ごしていた。
そんなある日、中途で採用された一人の女が、りか子の前に現れる。ムッチリとしたスタイルに、やたら身振り手振りの大きな帰国子女。
りか子が虎視眈々と狙っていたポジションを華麗にかっさらっていき、思わず嫌悪感を抱くがー。
まるで正反対の二人の女が育む、奇妙なオトナの友情物語。
人気女性誌「SPERARE(スペラーレ)」で編集長の秘書として働くりか子。恋人に裏切られ、同棲を解消したりか子に手を差し伸べてくれたのは、“小阪アンナ”だった。
気づけば友情を築き始めた二人。そんな矢先、WEB版の編集部で募集が出るという情報をアンナが教えてくれたのだが、突然やってきた編集部の新メンバーにりか子は動揺するー。
—平常心よ、りか子。
声に出さず、私は何度も自分を落ち着かせるために頭の中で、そう繰り返していた。
焦りと動揺を隠せないまま迎えた月曜日、ついに五十嵐はSPERAREへとやってきたのだ。
私が部署異動を再び決意した日に、突然現れた編集部の新メンバー。編集長の隣を歩く......
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この記事へのコメント
五十嵐がやたら上から目線でやだなぁ。