あの子が嫌い Vol.11

初対面のイケメンから「ダサい」と言われた29歳女。突然やってきた、無礼すぎる冷徹男の正体とは

上京してからというもの、私の人生はパッとしない。

地元では「かわいいリカちゃん」と呼ばれ、散々もてはやされてきたけれど。

私程度の女なら、この街にくさるほど居るー。

地元を飛び出し、憧れの人気女性誌への入社を果たした秋吉りか子(29)は、自分の"無個性"にウンザリする日々を過ごしていた。

そんなある日、中途で採用された一人の女が、りか子の前に現れる。ムッチリとしたスタイルに、やたら身振り手振りの大きな帰国子女。

りか子が虎視眈々と狙っていたポジションを華麗にかっさらっていき、思わず嫌悪感を抱くがー。

まるで正反対の二人の女が育む、奇妙なオトナの友情物語。


人気女性誌「SPERARE(スペラーレ)」で編集長の秘書として働くりか子。恋人に裏切られ、同棲を解消したりか子に手を差し伸べてくれたのは、“小阪アンナ”だった。

気づけば友情を築き始めた二人。そんな矢先、WEB版の編集部で募集が出るという情報をアンナが教えてくれたー。


「リカコって、ほんと…細かい。」

アンナはソファーの上で眉間にシワを寄せ、大げさにため息をつく。

「ほらほら、文句言わないで。手伝ってほしいって言ったのはアンナでしょ!」

アンナの原稿や企画書にびっしりと赤を入れ、書ききれなかったところはポストイットを貼り付けてからそれを渡す。

「落ち込まないでよ、内容は面白いんだから自信持って!私がしたのは校正だけで、内容は少しも変わってないわ。」

それは本音だった。

まるで洪水のように、無限に溢れ続ける彼女のアイデア。私はそれを一つずつ丁寧に読み解き、文章に起こす。

いつかこれが記事になって、SPERAREに掲載されたならー。

そう思うと、私まで気持ちが高ぶって仕方ない。

日付が変わるころになると、アンナはキッチンからワインを持ち出して、くだらない話で大笑いし始める。そんな日常が続いていた。

「私、やっぱり編集部に行きたいな。SPERAREを作る側に…。」

ふと私は、そんな言葉を口にする。

WEB編集部が発足するという話をアンナに聞いて以来、私の中で消えかかっていた編集部への夢が再燃したのだ。

「人事のミツコさんに聞いてみたら?りか子なら叶えられるわよ。」

ワイングラスを揺らしながらチーズをひとくちかじり、アンナは微笑む。

「リカコに助けてもらって本当に感謝してるの。けど、もっとあなたの仕事は評価されるべきだわ。」

私は彼女の言葉に背中を押され、もう一度自分の夢を掴み取る決心を固めたのだった。



翌日、いつも通りの朝がやってくる。

チャイラテ、郵便物、会議室の準備、会食の予約確認、ゲラのチェック。

それから、スケジュールの確認。そのとき私は、ハッと気がついた。

—面接が、増えてる…。

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