『ザ・リッツ・カールトン京都』を徹底取材!ここにはまだ見ぬ京都の魅力と伝統が詰まっていた。
■鴨川をメインに据えた客室は、京都が誇るラグジュアリーがある
客室は全134室。そのうち約半分が鴨川に面し、やはり、ここに泊まるなら川沿いの部屋を予約したい。
というのも、あえてパブリックスペースからは鴨川が見えない造りで、部屋に入って初めて見える川の景色に驚きがあるからだ。
こちらは、鴨川沿いの「ラグジュアリー」(2名利用¥90,000〜税サ別)。エントリーレベルにして、45~62㎡というゆったりした空間だ。部屋のアイコンともいえるのが、窓際に見える箱のような木枠で、これは縁側をイメージしている。
前述の“平安貴族が東山から昇る月を愛でる”という話に沿って、ここでは可能な限り大きくとった窓から、京都の風景を朝から夜まで楽しめる。
縁側と呼ばれる窓際の椅子に腰かければ、このとおり、ゆるやかに流れる鴨川を眺めることが可能。
窓際のテーブルには盆栽が置かれている。遮光したい場合は、カーテンではなく、簾というのも京都らしい。
そして、今回紹介したいのが、9タイプ全17室あるスイートルーム。畳の間のある部屋、古都を眺める部屋、日本庭園を眺める部屋など、とにかくバリエーションが豊富だ。
こちらが外国人からの人気も高い「スイート KAMOGAWA」で広さは126㎡(2名利用¥325,000〜税サ別)。鴨川と東山連峰を三方向から眺める間取りで、リビングのソファ、窓際の椅子、ベッドと、さまざまな場所から外の景色を寛いで堪能できる。
春は桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪と、四季によって、鴨川の背景は表情を変えていく。川には鴨やシギ、トンビなど野生動物も多く生息し、それもまた他の街では見られない光景だ。
リビングの隣に寝室があり、ベッドのバックボードやベッドカバーには前述の七宝柄があしらわれている。サイドの木製ライトが珍しいデザインで、オンにすると至極柔らかな照明が真横に光る。これが就寝前にはありがたい。
また、全室に言えることだが、客室は京都の伝統工芸が集結したギャラリーのような場所となっている。
京和傘の『日吉屋』によるライトスタンド、西陣織『細尾』のクッションなどが揃う。
長く受け継がれる技術の精巧さを、実際に使うことで体感できるのだ。また、ライブラリーには京都の古書店『Books & Things』が選書したアートやデザインに関する本が並ぶ。