
喧騒に満ちたアジアへ誘うスパイスの香り
今回速水氏が訪れたのは、どこかタイのカオサンストリートを思わせる六本木の裏路地。オープンは1983年、都内で2番目に古いタイ料理の老舗だ。食すのは、トムヤムクン。「スパイスの複雑な香り、酸味のあとにくるスッとした辛みが好きで、ランチによくチョイスするメニューです」と速水氏もお気に入りのこのメニューは、甘、酸、辛、鹹の4つの味を持ち合わせ、世界三大スープのひとつとしても知られるところ。
「トム」は煮る、「ヤム」は混ぜる、そして味の決め手はエビの意の「クン」。こちらでは有頭エビを使っているため、ミソが持つ旨み、殻から出る甘みが湯気とともに漂い、心惹かれること間違いなし。速水氏が元気がないときに食べたくなる理由は、この香りが否応なしに食欲をくすぐるからだろう。