今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.19

「よく分からない」じゃ恥ずかしい!鮨屋でワインを頼むなら知っておきたいこと

ワインのペアリングにも、いろいろと選択肢が増えてきた昨今。

それも見よう見まねではなく、きちんとした知識と仕組みを理解しているというのが、かっこいい大人というもの。

そこで、ワインジャーナリスト・柳忠之氏に、一見意外な組み合わせにも思える、鮨とワインの関係について聞いてみた!

Q.鮨屋でワインを頼む人って格好つけているだけな気もします。あれって実際どうなんですか?


――ねぇ、ねぇ、柳さ〜ん!

柳「おや、クラリン(編集担当の嵩倉)。今日はチコちゃん(某TV番組キャラクター)バリの迫り方だね。「ボーっと生きてんじゃねえよ!」って、言われないようにしなくちゃ。」

――私、酔っ払ってそんなこと言いました(汗)? ところで今晩、友達とお鮨食べに行くんですけど、ぴったりのお酒ってなんでしょう?

柳「無難なところでは日本酒だね。日本酒はアミノ酸がマスクすることにより、生魚の臭みを引き出さないといわれている。でもね……。」

――でも?

柳「炊いた米を食べながら、米からできた酒を飲むんだから、合うのは当たり前だと思わないかい?いわゆる、大きな失敗はあり得ない、定番の組み合わせだよね。」

――確かに。では最近、お鮨屋さんでワインを注文する人も見かけるようになりましたが、ワインはどうです? 単にカッコつけてる気がして。

柳「僕的には日本酒に負けない面白味や可能性も感じられるけど……。」

――そもそも酢飯との相性は? たしか酢酸とワインは相性悪いって言ってませんでしたっけ?

柳「よく覚えてたね(汗)。でもね、江戸時代のようにシャリがおにぎりのような大きさだったり、糖分を加えず赤酢だけで仕上げた酢飯ならともかく、今の鮨はシャリのサイズがどんどん小さくなっているから、全然気にならないと思うよ。」


魚の生臭みとは、錆びた鉄棒についた手の汗


――お寿司とワインを合わせたら、生臭くなって仕方がないという話も聞いたことがあります!

柳「それもネタとワイン次第だね。そもそもだけど、生臭みが出る原因をクラリンは知ってる?」

――いいえ。

柳「研究によると、魚の過酸化脂質と、ワインに含まれる鉄分の結合が原因らしい。魚、とくに青魚にはドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸という脂肪酸が含まれている。

これらの脂肪酸は空気に触れて過酸化脂質に変化し、さらにワインに含まれる二価鉄イオンと反応すると、(E、Z)─2、4─ヘプタジエナールが生成され、これが生臭みを発するって話なんだな。」

――ひぃ、文系の私にはちんぷんかんぷんです(涙)。

柳「ボーっと生きてんじゃねえよ!」

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