独身オンナが黙ってない Vol.6

「仕事だけの、みじめな女」。40代独身女が誹謗中傷を乗り越え幸せを掴んだ、たった1つの信念

ーただ、結婚していないというだけなのに。

30代独身だというだけで、蔑まれ虐げられ、非難される…。その名も、独身ハラスメント。

それとは一切無縁だったはずの莉央(33)は、ある日突然、独身街道に再び投げ出される。彼女を待ち受けるのは、様々な独身ハラスメントだった。

—結婚だけが幸せの形だなんて、誰が決めたの…?

そんな違和感を強く抱く莉央。自分なりの“幸せの形”を見つけるため、奮闘の日々が始まるのであったー。


アパレルブランド「Noemie(ノエミー)」のブランドマネージャーとして働く莉央は、結婚式目前に突然婚約破棄をされてしまう。

既婚女子・優子からの独身ハラスメントや、周囲からの「美人なのにどうして結婚してないんですか?」という発言にウンザリさせられながらも、莉央は自分が結婚したいのかどうかわからなくなってしまうのだった。

取引先の年下男・将暉(まさき)からアプローチをされたり、横柄なバツイチ男・友介から意外な言葉をかけられ背中を押されるなど、なんだか波乱の予感だが…?


「莉央さん、大変です!」

始業時間の10分前。莉央がメールチェックを一通り済ませた瞬間、亜樹が血相を変えてオフィスに飛び込んできた。

「亜樹さん、おはようございます。一体、どうしたの?」

亜樹はすかさず手に持っていたスマホの画面を見せてくる。

「ネットに、社長の中傷コメントが書き込まれてるんです」

それは、先日社長が取材を受けた記事がネットニュースに転載されたものだった。キャリア女性の特集シリーズで、今をときめくファッションブランド「ノエミー」を立ち上げた社長にスポットをあてたインタビュー記事である。

莉央は、亜樹に言われるがままコメント欄に目を落とす。すると、そこにはいくつもの中傷コメントが並んでいた。

『仕事だけが生きがいの可哀想な女性にしか見えない(笑)』
『結婚できなかった人に上から目線で幸せな人生とか語られても…』
『全然憧れない。結婚でも仕事でも幸せ掴んだ人の特集希望』
『とにかく気が強そうな顔。独身なのに納得』

莉央も思わず顔を青くする。

「何これ!皆、記事の中の仕事の内容には目もくれずに、ヒドい…!」
「社長って敵も多そうだし、絶対知り合いとかの犯行ですよ!いや、それとも他人かな?ああ…こんなの社長が目にしたら、いくらメンタル強い人でも傷つきますよね」

社長は、確か45歳で独身だと聞いている。それについて誰かが触れることは、これまでほとんどなかった。

亜樹と二人であたふたするものの、コメントを消すことも出来るわけがなく、莉央は唇をかみしめる。莉央が最も尊敬する女性だと言っても過言ではない存在である社長のことを、こんな風に言われて腹が立った。

しかし、オフィスのドアのところに社長が立っているのに気づいて、冷や汗が流れた。

「しゃ、社長…。いつからそこに…」
「心配してくれてありがとう。でもね、こんなの長年独身やってたら慣れっこよ」

けろっとした様子で社長はさらに続けた。

「今まで、仕事だけのみじめな女だって言われたこともあったし、独身だからって理不尽な目にあったりもした。でも、他人に何を言われようと全く気にしないわ」

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