独身オンナが黙ってない Vol.5

「結婚だけが女の幸せじゃない」。偏屈イケメンからの意外な言葉に、33歳独身女が背中を押された瞬間

ーただ、結婚していないというだけなのに。

30代独身だというだけで、蔑まれ虐げられ、非難される…。その名も、独身ハラスメント。

それとは一切無縁だったはずの莉央(33)は、ある日突然、独身街道に再び投げ出される。彼女を待ち受けるのは、様々な独身ハラスメントだった。

—結婚だけが幸せの形だなんて、誰が決めたの…?

そんな違和感を強く抱く莉央。自分なりの“幸せの形”を見つけるため、奮闘の日々が始まるのであったー。


アパレルブランド「Noemie(ノエミー)」のブランドマネージャーとして働く莉央は、結婚式目前に突然婚約破棄をされてしまう。

独身街道を再び歩き出した途端、既婚女子・優子からの独身ハラスメントや、周囲からの「美人なのにどうして結婚してないんですか?」という発言にウンザリさせられる。

そんな矢先に、取引先の年下男・将暉(まさき)から、「あなたが独身でよかった」という発言をされ、莉央は動揺していた。


ー私って、そもそも結婚したいのかなあ…。

莉央は、昼休み中のオフィスでサンドウィッチを片手に、ぼんやりと遠くを見つめていた。

莉央が深いため息をつく理由。それは、昨晩母親から電話で、お見合いの話を打診されたせいである。

『知り合いの息子さんなんだけどね、どうしてもって言われちゃって断れなかったのよ。お見合いって言ってもカジュアルにお茶するだけでいいんだし、会うだけだと思って気楽な気持ちで行ってきてちょうだいよ』

婚約破棄以来、母は、娘の顔色を伺うようにして決して結婚の二文字は口にしなかった。それなのに突然そんなことを言い出したのだ。

しかし実は、結婚が破談になってから、莉央自身、自分が本当にいつか結婚したいのかどうかわからなくなっていた。

独身であることを周囲からはとやかく言われ、嫌な思いもさんざんしてきた。しかしその都度、あるセリフが喉まで出かかる。

『恋愛は素敵だし、好きな人がいたら一緒にいたいとも思う。だけど、そんなに結婚しないとダメー?』

再びため息をついて、ふとオフィスの隅に目をやると、亜樹と優子が何やらやり合っていた。

「亜樹さんのインスタ、見ましたよ〜!亜樹さんって、お料理得意なんですね!でも、こんな立派なお料理、自分一人のために作るんですか?なんか寂しいですね」

「あら、意外にこんなの簡単ですよ。優子さんもご主人に毎日料理してるんだったら、このくらい作ってあげたら?」

「うーん、結婚すると現実はそうも言ってられないですよー。夫が帰宅するまでに料理を完成させること考えたら、パエリヤだのローストビーフだの、毎日作っていられませんから。主婦は時短が命なんで!」

少し前までの亜樹なら、優子の棘のある発言に押されっぱなしだったが、近頃ではすかさず反撃をしかけている。

そんな二人の様子に呆れながら、莉央が仕事に戻ろうとしたとき、すかさず亜樹が近づいてきた。

「莉央さん。今夜予定あります?寒くなってきたし、きのこ鍋でも食べにいきませんか?」

「いいわね。行こう行こう」

するといつのまにそこにいたのか、優子が背後からぬっと顔を出した。

「あの…。それ、私も一緒に行っちゃダメですか?」

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