略奪愛 Vol.1

略奪愛:「好きになってしまいそう...」彼氏のいる女が本能で惹かれた、年上男の魅力とは

広がっていく溝


「それでね、ヘッドハンティングで新しいマネージャーが来たんだけど…」

代々木上原の、1DK。

自室のベッドで横になりながら、私が電話をする相手はもちろん昭人だ。

平日は私も仕事があるし、休日も昭人には勉強がある。彼は来夏に控える試験に人生を賭けており、最近じゃデートはおろか、会うことすらままならない。

それゆえ私はこうしてマメに電話をし、どうにか昭人との関係を続かせようと努力をしているが、しかし最近は5分と会話が続かなくなっていた。

「…そろそろ勉強に戻っていいかな?明日香の仕事の話とか、俺、聞いてもわかんないし」

穏やかな言い方ではあるが、後半に鋭いトゲがあった。

最近の昭人は焦りからか、私が仕事の話をするのを嫌う。

社会人になったばかりの頃は辛抱強く愚痴にも付き合ってくれたし、「頑張れ」と優しく声をかけてくれたりもしていたのだが。

しかしだからといって私と昭人の間には、それ以外に話すことなどない。

「そうだよね…ごめん。勉強頑張ってね」

立場や環境の違いが、私たちの溝を広げている。考えないようにしていても、そのことはもう自明のこととなりつつあった。


−この週末も、ひとりぼっちかぁ…。

努めて明るい声を出し「またね」と電話を切った後で、私はひとりため息を吐く。

学生時代からの親友に連絡しようかとも思ったが、彼氏と過ごすであろう週末を邪魔するのも悪いのでやめておくことにした。

所在なくスクロールする女友達のタイムラ......


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