チャラ男は、イヤ。初めの印象は最悪なのに、女が2軒目に誘ったワケ：オトナの恋愛論～解説編 チャラ男ver.～

A2：ちょっと弱い部分を見せてくれる男に、女は揺らぐ

拓人は誰かのジョッキが空けばすぐに気がついてオーダーするし、会話が詰まればサッと話題を振り、盛り上げ役に徹していることが分かる。

しかもそれがワザとらしくなく、ごく自然に行えているのだ。

―この人、チャラいように見えて、実はすごく気遣いができる人なのかな？

私はますます拓人のことが気になって、「今日、何があったんですか？」と聞いてみた。

すると拓人は真剣な表情でこう言った。

「大したことないんだけど、実は久しぶりに制作現場で怒られちゃって。すごく大事にしていたスポンサーさんだったし、僕なりに責任感を持ってやっていたんだけど・・・準備が足りなかったみたい」

―仕事、頑張ってるんだな・・・

ちょっとため息交じりの低い声が、心に響く。

「そうなんだ。意外、拓人さんがそういう弱音吐くの」

今の拓人は、前回とは違って自然体で、カッコつけていない。ちょっと弱い部分を自分に見せてくれたのが、意外性があって嬉しかったのだ。

男はプライドの高さゆえ、自慢話をして虚勢を張りがちだ。しかし女は、母性本能をくすぐってくる男に弱い。

仕事をバリバリしている男が自分だけに漏らす本音や、不意に見せる切なそうな表情。特に他の人には見せないような顔を自分“だけ”に見せてくれた時、ふと心を掴まれる。女は、男のギャップに弱いのだ。

そして頑張っている姿を見ると手を差し伸べたくなり、“私がそばにいてあげたい”と思うのだ。

「ごめん、ごめん！！こんな話、聞きたくないよな！」

「愛美ちゃん、本当に可愛いよね！世の中の男は全員好きになると思う！まぁ僕はぶっちぎりでその先頭だけど！」

明るくそう言って、話題を変えようとする。すると拓人の隣にいた先輩が、突然こちらに割り込んできた。

「タクト、タクト！萌花ちゃんが今度の公開イベント、来てくれるんだって～～。ほら！かんぱ～い！」

先輩に求められて「ジムビームハイボール」で乾杯する彼の笑顔を見て、私の胸はキュッと締め付けられた。

前回は分からなかったが、拓人はただのチャラ男ではなさそうだ。どうやら今日人数が増えたのも、落ち込む彼を心配した先輩たちが「飲もう」と誘ったようで、かなり人望があるのだろう。

そんな彼を見ているうちに、おどけたキャラの内面に潜む繊細さや人の良さがどんどん分かり、もっと知りたいと思うようになってきた。

「あの、拓人さん。良ければこの後、2人でもう一軒いきませんか？」

帰り際、思わず自分からそう提案してしまった。

拓人の自然体な姿を見た私は、いつの間にか心惹かれていたのだった。


▶食事会で初めて愛美が飲んだ「ジムビームハイボール」はこちらから

今回の『オトナの恋愛論』では、「マジメ男編・信彦」「チャラ男編・拓人」の2本のストーリーをお届けしました。

より人気の高かった方をショートドラマ化しますので、是非アンケートにお答えください！あなたの意見でどちらがドラマになるかが決まる！！

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＜オトナの恋愛論 Special特別クイズ・答え＞

チャラ男・拓人とマジメ男・信彦。
正反対なタイプな2人の男の、ある共通の魅力とは…
正解は、ふとしたときにみせる「ギャップ」でした！

◆衣装協力 1P目女性／ブラウス\11,800〈ホワイト／ホワイト ザ・スーツカンパニー 新宿店☎03-3354-2258〉スカート\11,000〈リトルシック／ザ・スーツカンパニー 銀座本店☎03-3562-7637〉ネックレス\8,000、リング\3,000〈ともにアビステ☎03-3401-7124〉2.3P目男性／スーツ\58,000、タイ\6,800／ともにユニバーサルランゲージ、シャツ\9,800／ザ・スーツカンパニー〈すべてユニバーサルランゲージ 渋谷店☎03-3406-1515〉その他スタイリスト私物・女性／ワンピース\25,000〈ソブ／フィルム☎03-5413-4141〉ネックレス\4,250〈アビステ☎03-3401-7124〉