若手IT社長との恋。“彼好み”を演じていた女が、男の部屋で見つけた疑惑の形跡
“今日は少し早く帰れたー”
“芽衣ちゃん、仕事終わったら家に来ない?”
長谷川からのLINEには、そう書かれていた。
−えーっと…1回のデートで、もう家に来いって…?
確かにLINEでは、ほぼ毎日のようにやり取りをしている。しかしそもそも芽衣はまだ、長谷川から正式に付き合おうなどと言われたわけでもない。
そんな曖昧な関係のまま、男の家に上がるというのは如何なものか。
…何か、違う。そう感じはしたものの、例えばこの誘いを断って、彼と気まずくなるのは嫌だとも思ってしまう。
−まあでも、家に行くだけなら…。
幾度か逡巡はしたものの、最後は彼に会いたいという気持ちの方が勝ち、芽衣は長谷川の家へと向かってしまうのだった。
疑惑の形跡
「お、担々麺?めちゃくちゃ美味そうな匂いがする」
「うん、でも夜遅いから担々春雨にしてみた」
…結局、流されるまま長谷川の家にやってきた芽衣は、気がつけば彼の家のキッチンで夜食作りをさせられている。
−何やってるんだ、私。
自分でも頭に「?」が浮かぶが、しかし長谷川の心から嬉しそうな顔を見ると「まあいいか」と思ってしまう自分がいるから困る。
“俺好み”を強要されることにモヤっとした感情を抱いてはいるが、やはりIT業界で若手のホープと言われているだけあり、彼のビジネスセンスや仕事に対する姿勢には尊敬しかない。
さらにはもともと顔がタイプだったということもあって、出会ってまだ間もないが、思うより芽衣は長谷川に惹かれてしまっているようなのだ。
「はい、どうぞ」
完成した担々春雨をダイニングに届けてから、芽衣は自身の髪をまとめていたクリップを外し、ソファに置かれたバッグにしまおうと歩み寄った…その時、である。
バッグの重みで沈んだソファの隙間から、“何か”キラリと光るものが覗いているのが見えた。
−なんだろ?
他意なく拾い上げ、そしてそれが見知らぬ女性のピアス(しかも、まったく女子アナ風ではない派手な大ぶりのデザイン)であることに気づいた瞬間。
芽衣の胸に、締め付けられるような痛みが走った。
▶NEXT:10月12日 金曜更新予定
家に他の女のピアスが。さらには仕事の相談をした芽衣に、長谷川がとった信じがたい対応とは
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