ポンコツ嫁の改造計画 Vol.2

「夫婦不仲は、男の被害妄想」独身主義のエリート男を子煩悩に変えた、奇跡の女からの忠告

―オレも、そろそろ子どもが欲しいぜ...。

松田優一(通称:松田大先生)36歳は、最近こんな野望を密かに抱いている。

ポンコツ嫁・春子の尻に敷かれ、結婚や子作りに否定的だった偏屈男・吾郎にまで先を越され、絶賛焦りまくりなのだ。

明るい家族計画を実現すべくポンコツ嫁の改造計画を目論むが、子作りはアッサリ拒否されてしまった

東カレ史上、最も“夫にしたい男”と讃えられた松田大先生。その奮闘ぶりを、じっくり観察してみよう。


「お前...それ、離婚の一択じゃないのか?」

仕事の合間のランチタイム。松田が先日の春子との顛末を説明すると、吾郎は顔色一つ変えぬまま、涼しい顔でそう言い放った。

―優一くんの子どもなんて欲しくないからー

あの夜、春子は松田を蔑むような冷たい目を向けた。

なぜ、最愛の妻にそれほど子作りを拒否されるのか。仕事もしておらず、外出といえばヨガと愛犬の散歩くらいで、1日中家でダラダラと過ごしているだけなのに。

しかし、吾郎にはポンコツだの鬼嫁だの言われたい放題であるが、松田なりに、春子とはそれなりに楽しい結婚生活を送っていると思っていた。

もちろんショックと深い心の傷は負ったが、今は悲観に暮れるというより、その原因をどうにか探りたい気持ちが強い。

「そんな簡単に“離婚”とか言うなよ...。なぁ、女がそれだけ子作りを拒否する原因って何だと思う?」

「俺が知るわけないだろう。もしくは...、他に男がいたりしてな」

意地悪そうにニヤリと笑う吾郎を前に、松田は血の気が引く。

生活費を搾り取られ、家庭でも犬より低い身分を強いられているうえ、他に男なんて作られようものなら、男としての面目は丸潰れである。

「...冗談だ。そんなに怯えるなよ。まぁ、女は何を考えてるのか全く分からん生き物だからな。離婚する前に、直接聞けばいいだろ」

―それが恐くてできないから、困ってんだろ...。

松田は心の中で呟いて溜息をついたが、次の瞬間、ある名案が浮かんだ。

「な、なぁ!頼む!!英里ちゃんに相談させてくれよ...!」

この記事へのコメント

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No Name
英里ちゃんは相変わらず可愛くて、心が柔らかくて、優しい。吾郎ちゃんもなんだかんだで良い夫になってて嬉しい!!ほんとに来たのか!?なんて言っといてたくさんお料理なんか作っちゃって(笑)可愛いらしいにも程がある!!
凄い好きな作品でした!
松田先生も頑張って!!これからも楽しみにしてます!!
2018/08/17 05:3099+返信2件
No Name
吾郎先生みたいな人いいなぁ…笑

にしても松田嫁の途中退席は、せっかく部屋を提供して料理作った相手側にすごく失礼だよね。全然食べてないし。
しかも自分の体調不良じゃなくて犬…
2018/08/17 06:0399+返信10件
No Name
妻側の言い分、気になる!
2018/08/17 05:2799+返信7件
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