あなたは、わたしのもの Vol.3

「この女、ヤバイかも…」束縛女の正体に勘付いた男。SNSで女友達に送られた、恐怖のメッセージとは

女の人の価値は、美しさだけではない。

どれほど純粋に自分を愛してくれるかだ…そんな風に思っていました。

でも、あの女のおかげで僕はやっと気がついたんです。

異常なほどの愛情が、女の人を、そして関わる人間の人生すらを壊してしまうってこと、

純粋な愛情は行き過ぎると執着に変わり、執着は憎しみへと変貌を遂げるってことを…

少し長いけれど、どうか僕の話を、聞いてください―

順風満帆な人生を送る堂島ユウキの目の前に突如現れた黒髪の美女・ひとみ。出会ったその日に一夜を共にするが、ユウキは彼女の異常性に気がついてしまう。



当時僕が抱いていたあの女への気持ちは、愛情だったのか、それとも同情だったのか。

今でも時々、わからなくなる。

ーユウキくん、助けて…

初めてひとみに出会い、一晩過ごした直後に届いたメッセージ。

あんな風に女の子から助けて、と言われて助けない男なんていないだろう。それも、電車の中で悪質な痴漢に遭ってしまった女の子だ。

そして、こう思ってしまった。

「ひとみのことは、僕が守らなければいけない」って。

か弱い存在は、僕たち男が守らなければ。憎むべきは電車の中で卑劣な行為をする奴で、ひとみの行動には何らおかしいことはない。

だから、普通だったらおかしい『62件のLINEメッセージ』も、非常事態だから仕方がない。そのとき感じた違和感を、僕は気に留めないことにした。

思い返せば、僕には余裕があったんだと思う。

当時の僕の仕事は、父親から譲りうけた不動産を含む資産をうまく運用すること。増やさなくとも、減らさなければ咎められない、いわば攻めでなく守りの仕事だ。

あまり高望みせず、常に客観的な視点を持っていればそう大きな失敗はしない。

なのに何故、ひとみに関しては全くと言っていいほど客観的になれなかったんだろうかと、今も思う。

隣に眠るひとみの安心しきった寝顔を思い出すと、今でも泣き出しそうになってしまうほどに。

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