あなたは、わたしのもの Vol.2

あなたは、わたしのもの:未読LINEは62件…。優しい男が引き寄せてしまった、恐ろしい束縛女

女の人の価値は、美しさだけではない。

どれほど純粋に自分を愛してくれるかだ…そんな風に思っていました。

でも、あの女のおかげで僕はやっと気がついたんです。

異常なほどの愛情が、女の人を、そして関わる人間の人生すらを壊してしまうってこと、

純粋な愛情は行き過ぎると執着に変わり、執着は憎しみへと変貌を遂げるってことを…

少し長いけれど、どうか僕の話を、聞いてください―


順風満帆な人生を送る堂島ユウキの目の前に突如現れた黒髪の美女・ひとみ。出会ったその日に一夜を共にするが、その翌日に62件の未読メッセージが届いていた。ユウキは、彼女の異常性に気がついてしまうのだった。


やっと見つけた、わたしの王子様


この鬱陶しい髪を、バッサリ切りたいな、と思っていた。

肩のあたりまで切って、会社の子たちがみんなやってるように、少し茶色にカラーリングして、毛先を巻く。お母さんがなんて言ったって、気にしなければいい。

髪を切ることが出来たら、きっと自分のことが好きになれるような気がするからー。

でもそんな考えは、堂島ユウキくんに出会って嘘のように消え失せたの。

ー綺麗な黒髪だね

そんな彼の言葉を思い出しながら、私はお母さんが買ってくれたAVEDAのヘアブラシで、丁寧に髪を梳かした。

ーこんな可愛い子にあったのは、初めてだよ…
ー僕も好きだよ

彼が呟いた甘い甘い砂糖菓子のような言葉たち。思い出すたびに、体全体にじわじわと喜びが広がってゆく。

その時、ほころんだ自分の顔がふと鏡に映った。

カワイクナイコ…

思わず、ガン、と乱暴にブラシを洗面台に叩きつける。

鏡に映る自分は、いつだって醜い。

弾んだ気持ちはしぼんで、代わりに心臓がバクバクと音を立て始めた。思わずスマホを手に取り、LINEのトーク画面を確認した。

ユウキくんからの、1通のメッセージ。

ー仕事終わったらまた連絡するね

それを眺めていると、少しだけ心臓の鼓動がゆっくりになる。そして、これは奇跡だと思った。自分の身にこんなことが起こるなんて、奇跡だと。

ユウキくんがいるだけで、自分の存在に自信が持てる気がする。

絶対に彼を手放すものか、と思った。

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