今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.11

「全部僕に任せて」。レストランでワインを選ばせてくれない彼は、やっぱりナシ?

柳「イタリアンの店なら、サンジョヴェーゼとネッビオーロのどちらが飲みたいかくらいは聞くかな?

それからお互い飲んだことのない面白そうなワインを見つけたら、「これなんてどう?」って確認することはあるけれど、ワインリストを丸投げして、「はい、好きなの選んで」なんて怖いことはしない。」

――きゃはは、奥様に「ペトリュス」って言われたら困りますものね。それにしても相手の希望を一切聞かず、勝手に選ぶのは違反ですよね?

柳「いや、そうでもないよ。ソムリエさんに「このワインを家内には内緒で」と、ブラインドでお願いすることがある。貴重なワインだったり、思い出のヴィンテージだった時に、ちょっとしたゲーム感覚でね。」

――それって極めて特殊な例だと思いますけど……。では例えばですね、柳さんが私に弱みを握られ、高級フレンチに私をエスコートしなくてはならないハメに陥ったとします。


柳「おいおい(汗)。」

――あくまで仮定の話です。さて、ワイン選びはどうされますでしょう?

柳「つまり支払いは僕だね。そうだな、まず料理を選ぶでしょ。メインが仔羊のローストと和牛ほほ肉の煮込みだったら、どっちにする?」

――仔羊ですね。

柳「ワインはボルドーかローヌならどっちの気分?」

――ボルドーかな?

柳「まあ、そんな風に相手の好みをおおまかに把握したうえで、ワインリストを見ながら考えますな。もちろん懐具合も考慮して。うん、これなんてどうだろ。シャトー・ローザン・セグラ。」

――どんなワインなんですか?

柳「あのシャネルのオーナー家がマルゴーに所有するシャトーだよ。」

――うわっ! それめっちゃうれしいです。

柳「それでさぁ、昨日の晩、港区男子が選んだワインは何だったの?」

――スマホにエチケットの画像が入ってます。あっ、これです、これ。

柳「どれどれ。ふむ、ワインリストを見せなかった理由がわかった。これ、そのレストランで一番安いワインだもの。」

――え〜っ!

ワインリストにあったらオーダーすべきはこの1本!
「シャトー・ローザン・セグラ」

ラグジュアリーブランド「シャネル」が所有するボルドーのシャトー。1855年の格付けで、のちに1級昇格を果たすムートンに次ぎ、事実上の2級筆頭。シャネルの傘下となった94年以降、品質向上が著しい。力強さの中にもエレガンスを秘めた味わい。

ピーロート TEL:03-3458-4455
※価格はお問い合わせください


教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える

東カレアプリなら、電子書籍で読み放題!

恵比寿依存は高まるばかり!

プレミアムサービスなら、最新号も過去号(約10年分)も、電子書籍で読み放題!
レストラン検索機能もついて超便利!
アプリでのご利用はこちらから
※最新版のアプリをダウンロードしてください。

紙版をお求めの方はこちらから

※東京カレンダーは毎月21日頃の発売です。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
ワイン全然分かんないけど一番安いワインを選ぶ男性嫌だな〜笑
2018/04/14 05:5610
No Name
こういう連載は落ち着いて読めていいね
2018/04/14 09:297
田舎者
わからなければ、料理に合うワイン🍷を選んでもらえれば良い。
2018/04/14 10:277
もっと見る ( 7 件 )

【今さら聞けないワインの基礎知識】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo