人事部は見た! Vol.8

人事部は見た!:イエスマンなんてまっぴら。社長に直談判する社員の胸の内

人事部ー。

社内の人間模様や、人間の黒い欲望に直接触れることもある部署。

人事部から見た社内、それは人の業が蠢く社会の縮図であった。

涼子が働く恵比寿のベンチャー企業では、管理本部長・坂上の社内システム入れ替えのミスを、総務課長の後藤になすり付けるための黒い思惑にまみれた、人事異動が発表された。

ある日、総務課長後藤と営業部次長の平山と会議室の密会に潜入すると、後藤が退職を検討していることを知り、涼子はショックを受ける。

涼子は自分に何ができるかと悩み誠に相談し、自分が立ち上がらねばと社長に直談判し画策を進めようとする。


「坂上さんを、辞めさせたい?」

社長に聞かれて、涼子の心臓はバクバクと音を立てる。

-今、坂上さんを辞めさせたいと言えば、坂上さんを追い出すことができるの…?

だが、涼子は誠の『物事の本質をとらえているか、全社目線を持っているか』という言葉を思い返し、大きく深呼吸し、自身の考えを話した。

「坂上さんの話は、今は別で考えるべきだと思っています。今一番の問題の本質は、システム入れ替えが頓挫している事による会社への損失だと。

ですので、社長の管轄のシステム部門からシステム入れ替えに人手を貸して頂き、早々にシステムを稼働させ、会社にとっての損失を最小限にすべきではないかと考えています。」

社長は腕を組みながら静かに涼子の話を聞いた。

その表情は真剣で、感情は読み取れない。無言の時間がしばらく続く。


社長が何を考えているか分からず、目を合わせるのが気まずくなり、思わず涼子がうつむいた時、社長が口を開いた。

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