2018.01.20
SPECIAL TALK Vol.40「やらまいか」の浜松で育った、自然とスポーツ大好き少年
金丸:ご兄弟は?
杉江:姉、兄がいて、僕は3番目になります。
金丸:末っ子。じゃあ、リスクを取りやすいポジションだ。
杉江:リスクなんて考えもしない、気楽なポジションです(笑)。
金丸:子どもの頃はどんな遊びを?
杉江:虫が大好きで、よく捕まえてました。カブトムシやバッタ、ザリガニとか。あとは近くの川で魚釣りをしていましたね。大きなタナゴが釣れたときは、近所の金魚屋に売りにいったこともあります。
金丸:スポーツは何かやっていましたか?
杉江:小中高とずっとバスケットボールをやっていました。周りにやっている人が多くて何となく始めたという感じで。ちょうど漫画の『SLAM DUNK』が全盛期でしたし。
金丸:今でも人気の漫画ですよね。バスケ部は強かったんですか?
杉江:高校のときインターハイに出場しました。といっても、僕はベンチを温めていたような感じでしたけど。
金丸:でもインターハイ出場って、すごいですよ。
杉江:実は高校選びの基準のひとつが、「インターハイに行ける高校」だったんです。浜松湖東高校というところなんですが、スポーツのイメージが強い高校なので、東京やアメリカで浜松出身の方に会ったときに出身校を伝えると、大抵驚かれます。
「勝てる」と感じてボクシングに転向した大学時代
金丸:高校卒業後、大学はどちらに行かれたのでしょうか?
杉江:地元を離れて、京都の立命館大学に進みました。
金丸:今度は何が決め手だったのですか?
杉江:以前から京都に住みたいなと思っていたんです。立命館はたまたま推薦入学の枠があったので、飛びつきました。
金丸:大学生活はどうでしたか?
杉江:めちゃくちゃ面白かったですね。バイトもいろいろやったし、部活にも打ち込みました。
金丸:大学もバスケットを?
杉江:いえ、ボクシング部です。
金丸:えっ、バスケからボクシングですか!? それはなぜ?
杉江:バスケットボールでインターハイに出場したとき、レベルの高い選手のプレーや体格の違いを目の当たりにし、僕のこの身長では一段上のレベルを勝ち抜くのは難しいなと思ったんです。今からでも僕が勝てる競技は何だろうと考え、ボクシングならいけるのではと。
金丸:その根拠は何でしょう? 昔からケンカが強かったとか、乱闘が得意だったとか(笑)。
杉江:いや、そういうわけじゃないんですが、ボクシングはひとりで考えて強くなれる競技だと思ったんです。団体競技だと監督の意向もあるし、たとえテクニックがあっても監督の思想と合わなければ出場できないかもしれない。でもボクシングは個人競技、相手を倒したら勝ち。強いほうが勝つというシンプルさがいいなと思って。
金丸:でも殴られたら痛いじゃないですか。
杉江:それは……、あんまり考えなかったですね(笑)。ひたすら練習すれば、強くなって勝てるはずだと。だから部活の練習のほかに、勝手に出稽古にも行ったりしていました。
金丸:ストイックですね。
杉江:どうすれば勝てるかだけを考えながら、がむしゃらに練習してましたね。
金丸:それだけの行動力に理論が兼ね備わっていれば、強くなるのも早かったのでは?
杉江:周りはほとんどが経験者でしたが、結構早い段階で追いつくことができました。
金丸:ボクシングに没頭した大学生活のあとは、どちらに就職されたのですか?
杉江:日産自動車です。
金丸:意外ですね。ここまで車の話は出なかったので、車というイメージはありませんが。
杉江:3回生のときに、たまたま日産自動車のセミナーを受けまして。プロダクトデザイナーの方の話を聞き、「ものづくりってカッコいいな」と感じたのがきっかけです。それに、車が社会に与える影響って大きいじゃないですか。車そのものの面白さと車を取り巻く環境に惹かれました。
金丸:でもデザインの経験は、ゼロなんですよね?
杉江:全然ないです。なので、1回目は落ちてしまって、どうしても諦められず、専門学校でプロダクトデザインを学び直し、2回目のトライで受かりました。
金丸:普通なら別の会社で妥協しそうなのに。何事も一直線なのが、杉江さんの長所なんですね。
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