エリート亮介の嫁探し Vol.16

「スペックにとらわれていたのは自分だった…。」東京での婚活に奮闘したエリート男が、最後に辿り着いた答え

エリートとはフランス語のéliteが由来で、「選び抜かれた人」という意味だ。

東京大学出身、その後大学院を経て世界的IT企業のアメリカ本社への転職が決まっている亮介は、まさに世に言う”エリート”。

ビザ取得のため、日本に一時帰国している半年の間に、亮介は日本での婚活を決意する。

やり直そうと思っていた元カノの里緒の噂に一時は振り回されるものの、大事なのは今の自分の気持ちだと気がつき、里緒に思いを伝えようとする。

しかしそれを言う前に、里緒から過去の不倫の真相を語られるが、亮介は「気持ちは変わらない」と告白した。

里緒からの返事は…


「私は、あなたのそばにはいられない。」

ーいつかこの言葉を言ってしまったことを、後悔する日が来るだろうか?

そう思いながらも、私の意思は変わらなかった。

亮介といると、辛いことがあっても”この人がいるから大丈夫”と、強くなれた気がしていた 。けれど別れたあと、足元がぐらついてしまった。いつの間にか彼に依存し、一人でいることが怖くなっていたのだ。

こうして弱ってしまった私は、結果的に会社を辞めることになった。

人が信じられなくなり、しばらく社会復帰できずにいたが、ある日街で偶然、前の取引先の人に会った。

「会社辞めたんだってね。もし良ければ、僕の叔父が小さい文房具メーカーをやっていて、人を探しているって。興味があったら連絡してみて。叔父には僕から推薦しておくよ。」

そう言って、今の会社を紹介された。初めは行く気がなかったが、紹介してくれた彼に申し訳ない気がして、話を聞くだけでも、と連絡をした。

「君が一ノ瀬さんか。噂には聞いていたよ。」

「噂…?」

一瞬、藤堂とのことかと思って身構えた。

「すごく丁寧な仕事で、信頼のできる人だって。」

その言葉と社長の優しそうな雰囲気が、私の背中を後押しした。

そのまま、今の会社に採用してもらえた。社長の人柄のせいか、同僚はおっとりとして気の良い性格の人ばかりで、前の会社のような嫌がらせや噂話とは無縁だった。

その上、仕事も評価してくれ、最近ではプロジェクトを任されるようにもなった。

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