恋の大三角形 Vol.5

恋の大三角形: “美人でいい子”じゃ物足りない。モテ男が最後に選ぶ女は…

東京を生きる女たちは、もう気がついている。

「素敵な男の隣には、既に女がいる」という事実に。

自分が好きになるくらいの男を、他の目ざとい女たちが見過ごすはずがないのだ。

取材先のスリランカで知り合った商社マン・洋平(30歳)と運命的な出会いを果たした彩花(26歳)。

しかし洋平には、付き合って2年になる彼女・繭子(29歳)がいる。

彼女の存在に気づいた彩花は夏美のアドバイスのもと略奪を企て、ついに初デートを実現。そして二軒目のバーで、彩花が動く。


彩花side−諦めるわけにはいかない


「もう一軒、行こうか」

そう言って洋平くんが連れてきてくれたのは恵比寿の『bar松虎』

暗闇に近いほどに落ちた照明の店内で、彼は「危ないから」とさりげなく私をエスコートした。

この店をセレクトしたのは、狙いか、それともただの偶然だろうか。確か、洋平くんのマンションはここから近い。

ざくろのフルーツカクテルがあまりに美味しくて歓声をあげたら、そんな私を柔らかに見つめる洋平くんと目があってどきりとする。

−二番手で終わりたくなかったら、絶対に一線を超えちゃダメよ。

夏美さんの忠告を思い出し、私はぼうっと惚ける頭を急いで振った。

そしてまた一歩距離を縮めようとする洋平くんを制し、私はどうしても今夜聞いておかねばならない質問を、口にした。

「…ねぇ、洋平くんの彼女ってどんな人?」

これまでの雰囲気を一転させる私の言葉に、彼は明らかに面食らって「いないよ」と誤魔化したり「なんで突然その話?」などとブツブツ言っていたけれど、私はへこたれない。

「いいから教えて。写真見たい!」

酔いと暗がりを武器に強引に迫ると、彼は渋々認めてスマホを取り出し、ある女性のFacebookアカウントを私に見せた。

“Mayuko Koyanagi”

…小柳繭子。清楚な女性だった。私とはまるで違うタイプの、しっとりとした雰囲気のある人。

自分で見せてと言っておきながら胸を刺すような痛みを覚え、画面から目が離せなくなる。私は改めて、洋平くんが好きなんだ、と認識した。

…だからやっぱり、ここで諦めるわけにはいかない。

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