LESS~プラトニックな恋人~ Vol.2

LESS~プラトニックな恋人~:不完全燃焼に終わった夜。この日を境に歪み始める男と女

今、東京の男女が密かに抱えている悩みがある。

恋人や夫婦間での、肉体関係の喪失だ。

ある統計では、今や世帯年収1,000万円を超える夫婦においては、過半数以上が当てはまるという。

この傾向は、未婚の男女においても例外ではない。

化粧品会社でPRをしている美和子(32歳)は、某大手損保企業に勤める健太(32歳)と同棲を開始。

そして1年が経つ頃、ふたりは“プラトニックな恋人”になっていた。


同棲1年。相思相愛の二人だが…


「健太ってさ、もう、ほんっとーーーーに美和子のことが大好きだよね」

新年を迎えた新鮮さも薄れ始めた、1月の終わり。ランチに訪れた『銀座あさみ』で、カウンターに並んで座る百合さんが突然そんなことを言うから、私は鯛茶漬けを食べながら、むせそうになった。

「何ですか、いきなり…」

私と健太は、百合さんが幹事をした食事会で知り合った。

あの日、女性側幹事は百合さんで、男性側は彼女の大学時代の同級生であり、健太の会社のさんでもある山田さん(独身・彼女なし)だった。

山田さんと百合さんはお互いを“やまちゃん”“ゆりっぺ”と呼び合う間柄で、あまりに仲が良いものだから、私は密かに昔付き合っていたのではないかと予想している。

「いや、この間またやまちゃんと飲んでたんだけど、途中から健太が合流したの。さりげなく美和子の話題を振ったら最後、話が止まらないんだもの!

この前美和子がこんな事して、とかあんな事言って…とか。やまちゃんが途中で笑いながら“美和子が美和子がうるせー”って叫んで、やっと終わったのよ(笑)」

百合さんは勢いよく言って、呆れたように笑った。

「なんか…すみません(笑)」

その光景があまりに想像できすぎて、私も苦笑する。

健太とは付き合って1年半、同棲して1年が経つ。私たちはよくお互いに「まるで遠い昔から知っていたみたい」だと言い合う。それくらいに気が合っているのだ。

恋に溺れる時期は過ぎ去ったが、彼も私も、お互いのことが変わらず大好きだった。

−ただ、だからこそ“あの夜の出来事”が、私の心の奥で燻っている。

この記事へのコメント

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No Name
同棲って女性側のリスク高過ぎじゃないかなあ。上手く結婚まで進めれば良いけど、ダラダラ一緒に住んで新鮮味がなくなって捨てられたらキツい。男性によっては過去に同棲してた女性はバツイチと同じと見なして避ける人もいるし。
2017/11/07 06:1755返信5件
No Name
LESSとEDは違うもの、という気がしますが、どうなんでしょうか?
2017/11/07 07:3948返信5件
No Name
披露宴の場でレスの話なんてしちゃダメよ〜
2017/11/07 06:3042
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