はいすぺさんが通る Vol.6

気になる男性から度重なる誘い。距離を近づけようと目論むも、待っていたのは非情な現実

容姿、学歴、収入。男のスペックは高ければ高いほど良い。

が、同じだけのスペックを女が持ち合わせたとき、果たしてそれは本当に幸せなのだろうか。

東大卒・外銀勤めの楓はいわゆる「ハイスペック女子」。

楓は4年前の憧れの人に再会する。彼の知らない一面を見て、恋に落ちる瞬間を感じた楓だが・・・


「来週水曜の夜、空いてる?」

雲一つない秋晴れが気持ちの良い朝、アプリで新聞を斜め読みしながら会社まで速足で向かっていると、楓の携帯に須藤からのLINE通知が表示された。

少し驚きながらも、仕事のスケジュールを頭の中で振り返る。その週はプロジェクトの境目で、比較的落ち着いているはずだった。

「-21時前には出られるかと思います。」

「了解。21時半に『セレブール』で。」

素早く打ち返すと3秒後にメッセージが返ってきた。

―どうしたんだろう。

須藤とは先月『トルナヴェント』に行って以来、何度か二人で食事した。

どのレストランのチョイスも楓の好みど真ん中だったし、仕事の話や人生観など、いくら話しても話のネタは尽きなかった。

須藤とは年が一回り以上離れていることもあり、率直に自分の考えをぶつけても大丈夫という安心感が楓にはとても新鮮だった。

楓の話に懐かしそうに目を細める須藤も、時折言葉少なに彼自身のことを語るのだった。

食事の誘い自体は不自然ではないのだが、楓が違和感を感じたのは、彼が指定してきた日時だった。

仕事の会食やトラブル対応がランダムに降り注ぐ彼にとって、先の予定を読むのは難しいはずで、それなのにプライベートの予定を1週間以上前に約束するのは、なんとも「らしくない」。

しかも平日と来た。通常であれば楓の仕事が多忙なことは当然分かっているはず。それなのに敢えて平日を指定する意味が分からなかった。が、何か特別な事情があるに違いない。

―何だかあんまり良い予感がしないなあ・・・

嫌な予感を頭から振り払い、楓は今日片付けるべき仕事に意識を戻した。

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