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  • 美人広報伝説 Vol.2

    美人広報伝説:“魔性の女”の魅力に次々とハマる男たち。「彼女を超える」と決心した日

    「・・・社長と、お知り合いですか?」

    エリカの問いに、早紀は「そうなの」と微笑んだ。

    二人の関係が気になったが、早紀はそれ以上何も言わなかったので、エリカは広報についての話に戻した。

    早紀は今、外資系の飲食チェーンのPRマネージャーだ。

    かなりやり手のようで、自社のメニューでSNS映えしそうなものを発掘し、それをメディアに拡散。話題商品になったという最近の事例を教えてくれた。

    その記事は、エリカも毎日見るニュースサイトで目にしたことがあった。

    ―さすが早紀さんね・・・。

    「早紀さんは、どうやってメディアに展開しているんですか?私この間プレスリリース書いたのに全く反応がなくて

    すると早紀は、プレスリリースの配信サービスを使っていることを教えてくれた。剛も話していた、『PR TIMES』だという。

    「今はプレスリリースが大手ニュースサイトにも転載されるし、SNSでも広まったりするから、直接ユーザーの目に触れるチャンスがあるの。エリカちゃんの勤めるようなスタートアップ企業にも、いいんじゃないかしら」

    「なるほど・・・。一人でリリース送るのも限界だし、ちょっと西島と相談してみます」

    何気なく言った“西島”という言葉に、早紀の目がピクリと反応した。しかしその後はすぐに穏やかな表情に戻り、失敗談を織り交ぜながら、広報としてのこれまでの経験談を、事細かに話してくれた。


    早紀の話を聞いていると、広報の仕掛けで新たな顧客層を開拓したり、会社のブランディングになり、それが人材採用にもつながったり。今まで考えていた広報のイメージが、2倍にも3倍にも、広がっていくのを感じる。

    ―やっぱりこの人、すごいな・・・。

    「第二の早紀」と言われて、悔しかったあの頃のことを思い出した。



    「それじゃあ、頑張ってね」

    別件の予定があるからと、早紀はエリカと剛を残し、店を後にする。

    「エリカ嬢、どうだった?エリカ嬢ほどではないだろうけど、彼女もやり手みたいだね」

    早紀が去ったあと、剛のそのお世辞はスルーして、エリカは食事中ずっと気になっていたことを口にした。

    「なんか、うちの社長知ってるみたい」
    「そう、前職のコンサルティング会社で一緒だったらしいよ。エリカちゃんが席を立ってる間に、そんなこと言ってた」
    「え!?」

    そして剛は呑気にワインを飲みながら、こう言った。

    「早紀さん、彼氏がベンチャーの社長だって噂あるけど。もしかして社長のことかもね」
    「・・・そうなんですか」

    ほのかに想いを寄せる西島まで早紀を好きなのかと思うと、エリカは動揺を隠せなかった。

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