美人広報伝説:“魔性の女”の魅力に次々とハマる男たち。「彼女を超える」と決心した日
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「西島さん、ちょっといいですか?」
翌朝、エリカはオフィスに着くと、さっそく西島を呼び出した。
「何かあったか?」
西島は、従業員の動きに敏感だ。その言葉に一瞬不安そうな表情を浮かべたが、エリカの顔を見て悪くない知らせだと判断したのか「すぐ行く」と笑みを見せた。
エリカは早速、昨日聞いた『PR TIMES』を導入したいと相談するつもりだった。
打ち合わせスペースに入り、エリカはこれまでの経緯を説明した。プレスリリースに何の反応もなかったこと、調べていくうちにプレスリリースの配信サービスを導入した方が良さそうだと思ったこと。
西島は全ての話を聞き終えたあとで、感心した様子でこう言った。
「一週間で、ずいぶん詳しくなったな。どんな手を使ったんだ?」
西島は「大手ニュースサイトにも転載されるし、SNSでも広まったりするから、直接ユーザーの目に触れるチャンスがある」というエリカの説明に惹かれたようで、早速『PR TIMES』をネットで調べ始めた。
エリカは少し迷ったが、早紀のことを聞いてみることにした。
「これ倉本早紀さんって有名な広報の方に聞いたんですよ。彼女、西島さんのこと知ってるみたいでしたけど・・・?」
その言葉に、西島が一瞬固まった。
しかしすぐに「あぁ、彼女は有名だからね」と言って、自分のパソコンに視線を戻す。やはり二人は、付き合っているのだろうか。
エリカは「第二の早紀」と呼ばれたあの頃のことを思い出した。周りの男たちは、いつも早紀のことを放っておかない。しかし西島までも、そうなのであろうか。
あまりの衝撃に、ずっと封印していた西島への恋心が溢れだしてしまいそうだった。
―絶対、早紀さんを超えてみせる。
エリカは大学生のとき以来の、野心に燃えていた。もう「第二の」と呼ばれることは、まっぴらごめんだ。
▶NEXT:10月27日 金曜日更新予定
エリカは、魔性の女・早紀を超えることができるのか・・・?
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