彼女になれて、妻になれない Vol.2

彼女になれて、妻になれない:私はお金を使うに値しない女?元彼の、割り勘デートの理由

“使わない”と“使えない” 似て非なる言葉の意味とは


俊樹は妻の優希と『タワーズ』でモーニングを食べながら「ここって……」と、元カノの奈緒をふと思い出した。


俊樹は毎月、10冊以上の本を読む。

コンサルタント1年目。当時の上司から「毎月本を10冊以上読んで、毎週読書レポートを提出すること」と課され、それ以来ずっと続けている。

日本の書籍だけでなく海外からも取り寄せており、多い時は1ヶ月に10万近くが本に消える。

俊樹の勤務するコンサルティングファームは世界的にも超有名で、世界中の頭脳が集まると言っても過言ではない。

さらに「Up or Out」(昇進、さもなくばクビ)の文化。並大抵の知識量では勝負出来ない。

そんな頭脳集団で勤め続ける俊樹の強さ。それは、圧倒的な読書量、すなわちインプットだ。

洋書は、邦訳を待っていては時代に遅れるため、基本的に原書で読むことにしている。

トマ・ピケティの「21世紀の資本」以来、フランスの書物にも一目置いており、今は辞書を片手に勉強しながらフランス語の本も読んでいる。



「お金を出し惜しむ=自分はお金を使うに値しない女」と思っていた奈緒。

一方の優希は、たしかに俊樹は羽振りが悪いと思っていた。だが、よくよく観察してみると本屋での爆買いは異常だし、海外の書籍はどんなに配送料が高くともすぐに買う。不思議だった。

当時の俊樹の給料は月に手取りで60万円。

家賃13万、生活費20万(食費・光熱費等含む)、貯金10万、本に8万、残り9万が遊ぶための費用だが、洋服代や、ビジネススクールの費用などもここに含まれる。

本という出費が給料の多くを占めていたため、デート代を切り詰めるしかないのだと優希は想像し、「この男見込みあり」と判断。その勘は的中した。

俊樹が語る”愚かな元カノ”


「元カノの中には、本や貯金を減らしたら?なんて言ってくる愚か者もいましたがそれは、僕の知識、ひいてはコンサルタントという職業を奪うのと同義語。貯金だって、いつクビになるか分からないから、リスクヘッジです」

ちなみに、カッシーナの机と椅子だが、快適な読書スペース確保のため、値は張るが全く気にしなかったらしい。

俊樹は、今でも本は買いまくるが、お給料がぐんと増えたので、本が占める割合は減った。今では、月に数回ザ・ペニンシュラ東京のプールで泳いでいる。

「本なんて数千円」
「愛されていればお金を使ってくれるはず」
「ハリー・ウィンストンをくれるはずがない」

すべてが、奈緒の思い込みだった。


▶NEXT:9月26日 火曜更新予定
優柔不断なマザコン男:圭太登場。奥さんもママに決めてもらったの?

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
プレゼントの予算を決めるのはいいけど、差額は自費っていうルールにはどん引き。プレゼントする相手にお金を払わせるなんて、感性が貧しい人。
2017/09/19 15:1176
No Name
これは自分勝手な男の理屈よね。最近の男って自分勝手な特殊なこだわりを黙って悟れってバカが多い。けど、結婚って、生活や子供、親、病気、最後は葬式や遺言、相続に至るまで価値観の違う二人が話し合って理解しあって生きてくものなのに。こんな一方的に一人ばかりが悟ってばかりの結婚なんて不幸せ。愚かとか笑う前に自分のコミュ障をなおせって思う。
2017/09/19 22:3670
ユウ
こんな男と結婚しなくてよかったと思う。
お金がどうとかより、自己中な感じがする。
結婚できたとしても、寂しい思いをしそう。
2017/09/19 20:1468
No Name
この人、パートナーに対する優先順位が低すぎると思う…結婚したら苦労するんじゃないかなあ。
2017/09/19 15:1449
No Name
お金をかけられなくても、心のこもったプレゼントはできる。
見込みありと値踏みをする女が賢いだなんて、アホくさ。
お互い、値踏みをしあってこれからもおしあわせに。
2017/09/19 21:1546
もっと見る ( 18 件 )

【彼女になれて、妻になれない】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo